一生治らないと悲観した膀胱炎症状が改善

生薬市場の別甲 腎臓、膀胱疾患

写真は、中国安徽省の亳州生薬市場の別甲です。

膀胱炎。かけ橋掲載分

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残尿感、膀胱炎

1964年生、女性

半年前より常に尿意があり、尿を済ませても残尿感がある女性から相談を受けた。時に痛みやお腹のハリもあると言う。泌尿科、婦人科、心療内科、鍼治療とあらゆる病院で検査と治療をしたが原因不明であり、病院ではお手上げの様であった。

横になると楽になる事から、普段は殆どの時間を自宅で寝て過ごす生活を送っている。家事もままならず、家族に迷惑をかけていると心労もあるようであった。症状としては、膀胱炎の様だが検査結果で菌は確認できていない。

問診と糸練功にて、女性特有の膀胱炎で使用する五苓散合当帰芍薬散に清熱解毒、利水、油脂の代謝を上げる生薬を追加してお出しした。

1ヶ月後、違和感は残るが残尿感が無くなり改善傾向にあると報告を受けた。更に2週間後、尿意も正常に戻り、痛み、残尿感が無くなった。今までは寝てばかりの生活で、一生治らないのではないかと不安になっていたが、お陰様で普通の生活が出来る様になりました。ありがとうございました。と感謝のお手紙を頂いた。非常に著効であった。症状は落ち着いたが再発防止の為、もうしばらく服用を続けて頂いている。

漢方薬は、身体のバランスを整える正常化作用がある。病態によっては、西洋薬よりも効果が高い事例の一つであった。

トイレを気にせず外出できる様になった女性

1977年生、女性

10年ほど前より過活動膀胱を患っている女性から相談を受けた。症状としては、尿意切迫、頻尿、夜間頻尿であるが、特にトイレに行けない状況となると一気にトイレに行きたくなるとの事。またコーヒーやビール等を飲んだ時には、さらに症状が悪化する。

病院では、尿意を抑えて、尿を溜めやすくする抗コリン薬を投与されたが改善されなかった為、漢方薬に期待されて来局された。

女性の症状は、東洋医学では「五志の憂」と捉える。五志とは東洋医学の概念で、生きていく上での精神状態の事であり、乱れると様々な症状が出る。このことを五志の憂と言う。

問診と糸練功により、桂枝加竜骨牡蠣湯証を捉えた。この証の方のご養生としては、発散や発汗が良い。発表作用のある葉物野菜や胡椒、シナモンなどを摂取。苦い物やアクのあるものは、筋肉を収縮し尿意切迫を勧めやすくなる為、控え目にお願いした。発汗は、30分以上の有酸素運動等のウォーキングが非常に効果的である為、継続して行って頂いた。

3ヶ月後、夜間頻尿がなくなり睡眠がしっかりとれるようになった。1年後、頻尿回数も減り過ごしやすくなったとご報告があった。2年後、さらに改善し漢方薬は終了となった。

過活動膀胱は命に関わる事はないが、トイレを気にして外出を控える為、生活の質が下がる。悪化する前に早めにご相談頂きたい。