写真は、大分県別府市の鬼山地獄です。
間中四分画診断とは
私の師匠の故入江正先生の師匠である故間中喜雄先生が考え出されたのが四分画診断です。治療法が正しいかどうかの最終判断としていた診断法です。任脉、督脉で身体を左右を分け、帯脈で上下に分けます。左側の臓腑が病の時、右側の経気が治そうとしています。帯脈より上側部分が病の時、帯脈より下側の経気が治そうとしています。その逆も当然あります。
左右が逆の病と治癒力
オーリングテストや入江FT、糸練功をされていらっしゃる先生方では、左右を間違えても反応が出ている事に気付かれた経験をお持ちの先生もいらっしゃると思います。その時、一方が病の反応、左右逆が治癒力です。但し陰陽が逆になっています。
人間の身体は常に拮抗中和され太極を目指そうとしています。それが自然治癒力であり、難経七十五難でいう勝復もその一つだと思われます。間中先生はそれを左右、上下と言う別な東洋医学的な見方で観られています。中国で行われた鍼麻酔などをヒントに気付かれたのかもしれません。
四分画診断については、湯液加減方と鍼灸加減方に対する間中四分画の可能性をご覧ください。
四分画診断で太極の完成度を診る
間中先生の四分画診断は入江先生から私どもへ伝えられました。任脉と帯脈で腹部を四分画します。病の時は四分画の内、二分画が陽証、二分画が陰証になります。
病が陰病の場合、陰証は臍を中心として対角に交わり、陽証も対角に交わり現れます。病が陽病の場合は縦横に連続して現れます。何故このような現象になるのか分かりません。湯液でも鍼灸でも治療法が完成すると、四分画は陰証も陽証もすべて消失します。東洋医学の太極が完成するのです。ただこの時に腹部の周囲部分に陰陽の部分が残る事があります。鍼灸の場合、治療法や経穴がズレている可能性があります。湯液の場合、加味方まで出来あがると周囲の陰陽は消失します。
病の勢いと治癒力のどちらが強いか
初めて述べますが理論的に考えると、四分画の部分で陰気と陽気の強さを診ると、病の勢いが強いのか治癒力が強いのか判断できます。もし病が陽病の時、陰気の勢いが陽気より強ければ自然に治癒していくと考えられます。陰病はその逆になります。病の勢いと治癒力の勢いを比べれば将来の病の状態が推測できます。
窮仙穴
20年程前に、私が四分画診断の代わりに見つけたのが窮仙穴です。窮仙穴の方が精度が高くミスをし難いです。四分画診断は面で捉え、窮仙穴は勢いで捉える感じです。どちらも正しく一長一短があります。窮仙穴も便利です。術者が使いやすい方の診断方法で良いかもしれません。
X交差による治療法の発展へ続きます。