腎臓結石、尿管結石、膀胱結石

発作時は激しい痛み

腎臓結石、尿管結石、膀胱結石は発作時に激しい痛みが生じます。痛みは、腎臓部より膀胱、尿道、下肢にまで拡がり、尿が突然に出なくなったり血尿を伴ったりすることもあります。

同じ結石でも、胆石、胆砂の成分は一般的にコレステロールによる結石です。一方、腎結石や膀胱結石は、膵石と同じシュウ酸カルシウムが主成分です。組成が異なります。

食事でシュウ酸の多い物はホウレン草が有名です。他にブロッコリ、茄子、タケノコ、レタス、完熟していないバナナなど、シュウ酸が多い食品です。

またインスタントラーメン、コンビニ弁当、カップ麺など加工食品は血中シュウ酸濃度を高めると言われます。

これらの食品は控えるか、よく火を通して食べます。

シュウ酸は加水分解ではなく熱分解で壊れます。煮る、ボイルの加水分解じゃなくてもフライパンで炒める熱分解でも良いです。

東洋医学の考えでは苦みやアクのある野菜は出来るだけ生食をせずに、十分に火を通した方が腎結石、膀胱結石は出来にくくなります。

発作時の漢方薬は、鎮痛作用が目的です。また常用する漢方薬は腎臓結石、尿管結石、膀胱結石を解消する直接的な治療になります。

結石の激烈な疝痛発作の場合、漢方では芍薬甘草湯、甘草湯、大建中湯、附子粳米湯、解急蜀椒湯、左下腹部痛が目標となる大黄附子湯などを頓服として用います。速やか痛みが消失する事が多いです。

また頓服の漢方薬服用で結石が排出されることもあります。

桂枝茯苓丸加薏苡仁、桃核承気湯、大黄牡丹皮湯など駆瘀血剤を使用します。これらの薬方や柴胡剤、防風通聖散、白朮の入った薬方などを体質改善に使用します。

体質改善薬が結石に使われることを考えれば腎臓結石、尿管結石、膀胱結石には出来やすい何らかの身体の異常あり、それに漢方薬が対応しているのだと推察できます。

猪苓湯、竜胆瀉肝湯もよく用いられます。他に大柴胡湯、防風通聖散等が用いられ、発作が軽度の場合は八味丸も使用されます。

上記の漢方薬を2剤併用したり、同時服用して効果を上げることが出来ます。例えば大柴胡湯に八味丸、桃核承気湯に大柴胡湯と芍薬甘草湯などを合方し縦横無尽に漢方薬は使われます。

また猪苓湯に芍薬甘草湯を合方して痛みの強い時や血尿が激しい時に用います。

芍薬甘草湯は尿管等を広げたり緩めることにより、痛みを除き結石の排出を促します。

猪苓湯は利水剤で組まれた薬方で排尿をスムーズにさせます。また、その薬味中の阿膠には傷口を修復し、血液凝固を促し出血を止める働きがあります。

様々な漢方薬の中で芍薬甘草湯合猪苓湯は、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石に最も使われてきた処方構成かもしれません。

腎臓結石、尿管結石、膀胱結石を繰り返す人は、再発防止に五苓散を服用します。五苓散を服用していると新たな結石が出来にくくなります。

太陽堂漢薬局では、ある男性の胆石の治療をしたことがあります。その男性に中国上海で見つけた胆石を溶かす生薬の金銭草に2つの漢方薬を加え、3種混合で作ったお茶を飲んで頂きました。

同じ名前の金銭草でも効果が産地により異なります。中国の文献でも結石が金銭草で溶けた報告はあります。しかし産地の違いで効果が無い金銭草の方が多いです。

太陽堂漢薬局では経絡の大腸経に反応する金銭草だけを使用します。その他の金銭草には結石を溶かす働きは無いようです。

胆石を溶かすお茶を飲まれた男性が1年程して報告に来られました。「胆石は綺麗に無くなっていました。それだけでなく腎臓結石も消えたんです。1センチ位の大きな結石が消えたんです。ありがとうございました。」

報告を聞いた私も驚きました。胆石、胆砂、胆泥が溶けるのは糸練功で確認していました。その後、腎臓結石、膀胱結石の患者さんに使用すると確かに結石が溶けて流れるのです。

しかもゴツゴツした結石が川の石の様に溶けて丸みを帯びるのか発作の痛みが減少します。

その後、別な患者さんで膵石も溶ける事が判明しました。

最も溶けやすいのが膵石のようです。次に腎臓結石、尿管結石、膀胱結石です。一番時間が掛かるのが胆石、胆砂、胆泥です。おそらく食事で脂肪食の割合が増え胆汁が濃くなっているからだと推測できます。

太陽堂漢薬局の患者さんの症例をご紹介

男性51歳

尿管結石の発作も全く起こらず、安定しています。

尿管結石の痛みも無くて良かったですね。調子の良い時こそ、きちんと漢方薬量と飲み方を守って飲まれる事が大切ですよ。