痛みの疾患。まとめ1

漢方コラム
別府鉄輪温泉湯かけ上人

写真は、大分県別府市鉄輪温泉の湯かけ上人です。

痛みの疾患2より続く

痛みの疾患の注意点をまとめます

  1. 坐骨神経痛を漢方治療すると、治るに従い上の方から症状が取れていきます。痛みと痺れが下部に下がる感じです。腰の症状が消え大腿部の症状が強くなります。最後に足先の症状が消失します。痛みが取れ、その後に痺れが取れていきます。足先の痺れが取れたら体質改善の終了です。患者さんも症状から漢方治療の終了が分かる数少ない疾患です。
  2. 一般に夜間の痛みは陽実証、昼間の痛みは陰虚証が多いと言われますが、多くの患者さんを治療した経験上、太陽堂漢薬局ではこの考え方は該当しないと思っています。
  3. また夜間や起床時の痛みは血流が悪く生じている場合が多いです。酒飲みの神経痛と言われる疎経活血湯証が圧倒的に多いです。紅花降香を加味すると効果が増すことが多いです。酒を飲み脱水する、寝て動かないと血流が悪くなり生じる痛みです。脱水に気を付け体の保水能力を上げ潤にします。食養生では酸味の強い酢の物やバラ科の果物のリンゴ、イチゴ、桃、梨などの酸味。鹹のお味噌。ハチミツなども保水能力を上げる食材になります。疎経活血湯証はやや陰証ですが、陽の瘀血は桃仁剤などの桂枝茯苓丸加薏苡仁などが行きます。
  4. 茯苓は単なる利水剤ではありません。心にも働きます。加茯苓で附子による行き過ぎた心負担を減らすことができます。まれに茯苓抜きが合う人もいます。
  5. 神経症の知覚神経障害で痛みが酷くなる人もいます。五志の憂の治療をしないといけない人もいます。
  6. 芍薬甘草湯加附子は一般に標治法です。故藤平健先生の発表で本治法として使われています。別件ですが藤平健先生の発表された咳の標治法で頓服の甘草麻黄湯を喘息の体質改善に使う症例が発表されています。私はこの甘草麻黄湯で難治の喘息を多く治してきました。芍薬甘草湯も甘草麻黄湯も口訣で言われた「漢方の先祖帰り」かもしれません。太陽堂漢薬局では甘草麻黄湯を標治に使い本治は補中益気湯大人参を使います。
  7. スポーツによる筋肉障害や筋肉酷使に鹿児島の故小川幸生先生が柴胡桂枝湯加芍薬を発表されています。芍薬甘草湯証の方意と大きく異なります。
  8. 浅田宗伯が骨折後や事故後の神経痛に桂枝加苓朮附湯証での治験例を残されています。

柴胡桂枝湯加芍薬も桂枝加苓朮附湯も病名漢方で使えるほど頻度が高いです。

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