痛みの疾患2

漢方コラム
キリン

写真は、大分県宇佐市安心院町のアフリカンサファリです。

痛みの疾患1より続く

痛みの疾患2

今回も漢方薬が得意な痛みの疾患をご紹介します。

骨粗しょう症を含む、変形性膝関節症、股関節症、脊椎分離症などの腰痛

変形性膝関節症を漢方で治療した最初の症例は大塚敬節先生が奇形性関節症の病名で防已黄耆湯加麻黄で治し報告されています。その後大塚先生の一番弟子である山田光胤先生が東洋医学会の基調講演で様々な防已黄耆湯加味合方で治験例を報告されました。

太陽堂漢薬局で用いる薬方

木下は山田光胤先生が用いられた多くの薬方より3薬方だけ用いています。この3薬方で40年間で多くの患者さんを治療しましたが、殆どの患者さんが軽快または完治されています。

  • 陽証は防已黄耆湯加麻黄。代用として防已黄耆湯合麻杏薏甘湯でも治療可能です。
  • 陰実証は防已黄耆湯合越婢加朮湯です。
  • 陰虚証は防已黄耆湯合桂枝加朮附湯です。

朮は体表ですので蒼朮です。糸練功で確認し茯苓が必要な場合は1日量4g追加します。

骨粗しょう症の養生法

  1. 壮年期以降でなくても骨粗しょう性の疾患は、ミネラルを汗で排泄する汗かきの人、水太りの人、菜食主義者、玄米を常食している人に多い傾向があります。特に玄米のフィチン酸はミネラルや鉄分を排泄しますので骨粗しょう症だけでなく貧血の人も気を付けないといけません。
  2. 骨粗しょう症は老化の一つですので対処療法しても不治の病です。適方にて漢方治療で体質改善すると再発しないのです。理由が分からず不思議です。
  3. 膝関節症や股関節症の場合は体重を落とさないといけません。体重以外にも関節に負担をかけないよう筋力を上げないといけません。痛みが取れるまで長い距離を歩いたり、重いものを持たないようにします。

骨粗しょう症以外の腰痛、坐骨神経痛、膝関節症

多くの薬方があります。

  1. 越婢加朮湯、桂枝二越婢一湯加朮、桂枝一越婢二湯加朮、桂枝加朮湯。以上の薬方には陰陽虚実を診て附子や茯苓を追加する場合があります。また蒼朮を使用します。桂枝一越婢二湯は桂枝二越婢一湯より実証です。
  2. 桂枝茯苓丸加薏苡仁10。桂枝茯苓丸は体質を診て甲字湯にします。
  3. 八味丸、六味丸は胃腸障害があるときは加味で人参、合方で人参湯を合わせます。薏苡仁を加味すると早く痛みが取れます。
  4. 疎経活血湯は降香や紅花を加味すると効果が早くなります。
  5. 麻杏薏甘湯は加石膏すると効果が増すことがあります。

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