問診で注意すべき事2。水の流れ

吉野の脳天大神の階段 漢方コラム

写真は、吉野の金峯山の脳天大神の階段です。

問診で注意すべき事1。主訴、寒熱から続く

水の流れ

水の流れは、飲む水分摂取、小便へ排泄、発汗で排泄です。

飲む水分摂取

口の乾きと摂取量です。口の渇きは口渇と口乾に分かれます。口が渇き実際に飲料を飲むのが口渇です。口乾は口が乾き口を湿らす程度ですむ場合です。

口渇は陽実証、口乾は陰虚証ですが、瘀血証の場合で口乾の有る人もいます。また口渇が甚だしい場合は陽明病の脱水の石膏剤を考えます。飲用の温度も大事です。冷たい飲料を好む人は陽実証の場合が多く、冷たいのが嫌で温かい飲料を好む人は陰虚証の場合が多いです。

小便へ排泄

小便の色は寒熱を診る場合に非常に重要です。小便の色が濃い場合は陽実証で身体に熱があります。色が薄い場合、陰虚証で寒が支配的です。ビール色の場合は黄疸の場合も有ります。結膜の色も黄色だと黄疸です。

多尿で小便自利は陰証で附子剤や乾姜剤が合うことが多いです。乏尿で小便不利の場合は五苓散や茵蔯蒿湯などが適応します。尿が出しぶる場合は小便難で膀胱炎や急性腎炎の場合もあります。猪苓湯や清心蓮子飲、竜胆瀉肝湯など様々な薬方が対応します。

発汗で排泄

汗は無汗と発汗に分かれます。

身体の余分な熱を外に出す発汗

運動後や陽実証の人は身体の熱を外へ出すため発汗します。少陽病位と陽明病位の強実証は身体の余分な熱を排出するため発汗します。潮熱などです。

慢性病で少陽病位の実証は陽明病に近く、虚証は太陰病に近くなります

体表を温め免疫力を上げるための発汗

免疫力を上げる発汗は虚実で発熱の閾値が異なります。実証は体温が上がり高熱で発汗し、虚証は体温が上がりきらず微熱で発汗します。

風邪などの太陽病位では、発熱の閾値が異なるため実証の葛根湯証や麻黄湯証などは高熱で発汗します。虚証の桂枝湯証などは微熱で発汗します。少陽病位に進むと、虚証は発熱の閾値が低いため、補中益気湯証の盗汗や柴胡桂枝乾姜湯証の頭汗などになります。

無汗

少陽病位の実証から中間証は身体の余分な熱は有りますが高く無いため、古方派の治療方針通り清熱の適応になります。

太陰病や少陰病等など熱の無い陰病は無汗です。

例外の汗

手掌汗や汗疱はストレスや神経興奮によると考えられます。柴胡清肝湯、四逆散、抑肝散などが適応します。少陰病位で汗が流れるのは脱汗です、非常に危険です。鍼や焼針などの誤治が多く心臓を強める茯苓甘草湯、竜仙、回春仙、六神丸、救心などで対応します。

問診で注意すべき事3。食物の流れに続く