正常眼圧緑内障による視野欠損が回復

生薬市場 その他の病気

写真は、中国安徽省の亳州ハクシュウ生薬市場です。

正常眼圧緑内障、複視。かけ橋掲載分

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正常眼圧緑内障による視野欠損

1973年生、男性

日常生活では困る事もなく過ごしているが、病院検査で視野欠損を指摘された男性から相談を受けた。眼圧は左右ともに正常範囲内であるが、病院から処方された眼圧を下げる点眼薬を使用している。正常眼圧緑内障とは、原因は不明であるが視神経に障害が発生する事で、視神経の萎縮が進行し視野狭窄、視野欠損が出現する病気である。

当薬局では、緑内障の状態を肝気が不足消耗している病態と捉えた。また視神経の圧迫の原因は解明されてないが、五志の憂、自律神経と密接な関係があると思い、安神、鎮静作用がある漢方薬を服用頂いた。養生としては、ストレスを溜め込まない事、散をする事、発汗をする事を伝えた。

服用開始から7か月後、「病院の検査で視野欠損が無くなっている。正常範囲内になっているので、通院は不要」と言われた。と嬉しいご報告を頂いた。糸練功の結果も7合を超え安定した状態である。さらに適量診でも減薬出来る段階に入った。その後5か月は再発防止の為、減薬しながら服用を続けて頂き治療終了となった。西洋医学では治らないと思われていた病態も東洋医学では改善出来た例であった。

体質改善で緑内障の進行が止まった男性

1954年生、男性

半年ほど前の検査で眼圧が高く、初期の緑内障と診断された男性より相談を受けた。病院の治療は、眼圧を下げ進行を抑える点眼薬の対処療法しかないと言われた。一度死滅した視神経は回復する事がないと言われている為、出来る限りの事をしたいとご来店された。

男性のお身体の状態を問診と糸練功にて確認した所、釣藤散証を捉えた。この漢方薬は、血流改善や清熱、鎮静作用等の効果があり、脳動脈硬化症や高血圧症等にも汎用される。食養生では、血熱を冷ます苦い物や灰汁のある食べ物などを積極的に摂るようにお話した。

服用から1ヶ月、元々自覚症状は無いが体調が良くなり、睡眠も取りやすくなったとの報告を受けた。また病院の点眼薬も併用していることも有り、眼圧は21mmHgが16mmHgまで下がった。

服用から3ヶ月、病院の検査で緑内障が良くなっていると言われた。更に寝起きの肩こりも改善され、効果の実感を感じていると嬉しいご報告を受けた。緑内障の進行が止まり、体質改善が進むまで漢方薬を続けて頂き治療終了となった。

両眼複視が漢方薬だけで改善

1972年生、男性

1年前より急に物が上下二重に見えたり、眩しさを感じるようになった。病院の検査では「両眼複視」と診断され、矯正用のプリズムメガネとサングラスで過ごしているそうだ。眼球訓練で治る方もいるが、手術を行う可能性が高い事から漢方相談に来られた。

眼球には目を動かす6個の筋肉がついていて、それらの筋肉に3つの脳神経が指令を出す。筋肉から神経までのどの部位が障害されているかで西洋医学では病気の名称が変化するが、東洋医学では、証(その方の体質や体力、症状の現れ方等)として判断する。問診と糸練功により脾虚による署豫丸証を捉えた。「脾」を強める食養生として、マグロや牛肉などの赤身、穀類や芋類、豆類お勧めした。

服用から1ヶ月で、プリズムメガネをかけなくても良い日が出てきた。3ヶ月目でメガネが不要となり眩しさも軽減された為、漢方薬は終了となった。過去の例から見ても署豫丸証の患者さんは改善が非常に早い。

しかしながら複視は、西洋医学で考えると脳血管障害、頭部外傷、脳腫瘍、ギランバレー症候群など重病、重篤になる場合も多くある。まずは脳に障害がないかMRIやCTなどで確認してから、漢方薬を試してほしい。