写真は、熊本県阿蘇郡小国町の北里柴三郎記念館です。
石膏
石膏は海の大古の堆積物です。
使用量
石膏の注意すべき点は1日量7g以下で頻度、頻数の多い症状に働きます。例えばクシャミを頻発する場合は小青竜湯加石膏にします。7g以上では清熱に働きます。
白参との組み合わせ
石膏の証は陽明病の裏熱と脱水に使われます。脱水に使われるため石膏は潤の働きが強いです。石膏の力が強すぎると身体の深部を冷やしてしまいます。白人参は潤で裏温ですので石膏の行き過ぎた裏の寒性を調和します。石膏証の脱水にも対応します。白虎湯加人参や木防已湯など石膏と白人参の組み合わせになります。
大黄
生薬の世界には六陳八新と言う言葉があります。古ければ古いほど良い六生薬と、新しければ新しいほど良い八生薬です。六陳には入っていませんが、大黄も古いほど良い生薬の一つです。
清熱と下剤
大黄には、清熱作用と下剤としての働きがあります。清熱に使いたい時は出来るだけ下剤としての働きが弱い物が良いです。錦門大黄や修治にて唐大黄を酒制大黄にします。大黄は降で酒は升にて下剤の働きを弱めます。また煎じる時間を長くしても下剤としての働きが弱ります。大黄末を使用する場合は熱を掛けていませんので下剤としての働きが強く、清熱作用は弱くなると思われます。
大黄の副作用
大黄には習慣性があります。甘草と併用すると癖になりがたいですが、長期では少しづつ癖になります。また妊娠中は子宮を収縮させ成分のセンノサイドは胎盤を通過します。授乳中は乳腺の関門も通過します。催奇形性は報告されていません。
大黄と芒硝
教科書的には便秘をしない人は大黄と芒硝を抜くと記載されています。大黄は心包三焦に属し苦く乾燥して降ろす働きになります。大黄と相剋の芒硝は働きが異なり、腎に属し鹹からく潤わし柔らかくして降ろす働きです。普通便だから芒硝も抜くと考えるのは短絡的かもしれません。
地黄
乾地黄や生地黄は熱を取る降の働きが強いです。清熱を目的にした消風散などは乾地黄を使用します。大黄と同じ降の働きは升のお酒で修治します。修治したのが熟地黄です。八味丸などは丸剤を作るため乾地黄を原料としています。しかし古典では酒で飲むよう指示されています。結果として飲むときに熟地黄になります。同じ丸剤でも陽証の六味丸などはお酒で飲む必要はないかもしれません。
下痢軟便
一般的に下痢軟便の人に地黄は禁忌と言われます。下痢軟便には水溶性の通常の下痢と脂溶性の下痢軟便があります。胆石や胆砂が原因で胆汁の流れが悪くなり油脂の消化不良の場合は脂溶性です。便器に着いた便が水でサッと流れない便です。瀉心湯類の適応の場合が多いです。瀉心湯の黄連黄芩は胆汁に働きます。地黄を含む温清飲などが適応する場合が多いです。地黄が合わないのは水溶性の下痢軟便です。
その他の薬味
麻黄は心負担と脱汗に気を付けないといけません。脱汗の場合は青皮製剤、六神丸、救心などの牛黄製剤や茯苓甘草湯、茯苓杏仁甘草湯の適応になります。
五志の憂
五志の憂の人、特に半夏厚朴湯証や桂枝加竜骨牡蠣湯証、四逆散証の人は苦情が出る場合が多いです。五志の憂の治療も同時に併用する方法も考えます。

