写真は、吉野の金峯山寺蔵王堂です。
問診で注意すべき事2。水の流れから続く
摂った食物の流れ
食物の流れは、食べる摂取、排泄する便です。徐々に慣れると肥痩も考えると良いかもしれません。
食べる摂取
1回の食事量で虚実を判断します。食事量が多く食いだめが出来る人は実証で、食いだめが出来ない人は虚証の場合が多いです。漢方薬の麻黄や地黄、薏苡仁が合わない人は食欲が減じる人もいます。また肋骨弓の胸骨下角が広すぎるのも問題ですが、狭い人は虚証になり易いです。
また口中が苦い人は中焦の胃、膵臓、肝臓、胆嚢などに炎症や熱が有る人が多いです。古方派の少陽病の実証になります。食後の睡魔は脾虚の人が多いです。六君子湯証、補中益気湯証、半夏白朮天麻湯証、清暑益気湯証など多数の処方が対応します。
排泄する便
大きく分けて、便秘がちか下痢がちかです。
便秘
便秘の場合は兎便を除き多くは実証になります。また臭気が強い便も実証になります。兎便はウサギの便の様にコロコロした便です。大腸の蠕動運動の収縮の形を残した排便です。東洋医学では大腸が乾燥し虚証の便になります。麻子仁丸や潤腸湯の適応になります。
下痢
下痢だから実証とは限りません。下痢には虚証も実証もあります。また実証で熱証もあります。
寒証、虚証の下痢
お腹が冷え腸の動きが悪くなり下痢する場合です。何回も便に行くが快通しない。排便後に脱力感が有ったり、また完穀下痢と言われる下痢もあります。完全な穀物のまま便に出てくる消化不良の少陰病の下痢です。海藻などが排便に出てくるのも軽い消化不良です。
熱証、実証の下痢
裏急後重は便意があり排便するが、また直ぐ排便したくなるしぶり腹です。お尻に熱感を感じる人もいます。実証の場合が多く大柴胡湯などが適応します。下痢した後に疲労感はあまり感じません。疲労感を感じる場合は陰証や虚証です。
腹中雷鳴はお腹がゴロゴロ鳴ります。瀉心湯類の適応です。油脂類が多かったり油脂の消化不良の場合が多いです。胆石や胆砂の有る人に多いと思われます。半夏瀉心湯が中心です。やや虚証の人は半夏瀉心湯加茯苓、六君子湯合半夏瀉心湯にすると良いです。吐き気が有る時は半夏瀉心湯加生姜で生姜瀉心湯、1日に下痢を10回以上する人は半夏瀉心湯加甘草で甘草瀉心湯が合います。
問診で注意すべき事として、主訴、寒熱、水の流れ、食の流れは急性病でも慢性病でも必要です。

