写真は、鹿児島県桜島、約100年前の大正噴火で埋まった黒神埋没鳥居です。
瞑眩の発音
瞑眩メンケンはメンゲンと発音されたりします。伝統的な発音はメンケンです。漢方を師匠を持たず本で勉強する人が増えメンゲンと発音されるようになりました。同様な発音に茯苓ブクレイがあります。現在はブクリョウと発音されるのが一般的です。茯苓の産地ではブクリュウと発音していました。また私が若い頃は桂枝茯苓丸ケイシブクレイガン、桂枝加苓朮湯ケイシカレイジュツトウでした。
瞑眩
瞑眩は好転反応です。漢方薬が患者さんの証に合致し過ぎた時に出る反応です。通常は患者さんの症状が酷くなります。皮膚病なら皮膚病が酷くなります。不眠症の患者さんは不眠症が酷くなります。頭痛の人は頭痛が酷くなります。
症状だけでなく証が酷くなることもあります。症状にイライラは無かった患者さんが不眠で桂枝加竜骨牡蠣湯証を服用するとイライラすることも有ります。温清飲証の皮膚病の患者さんが温清飲を服用後、温清飲証の不眠になる事もあります。教科書では3日位ですが、木下は瞑眩を5日目に見たことが有りますので、服用後1服から5日目位まで今までに経験したことが無い程の症状が酷くなると考えています。瞑眩の特徴は、服用後直ぐに生じる事と、経験した事がない程の症状の悪化です。
瞑眩とは
漢方薬でドブ掃除をするとします。少しづつゴミを取っていくのが通常の漢方治療です。それが漢方薬があまりにも合致したため一遍にゴミをゴソッと取るのが瞑眩です。瞑眩反応が出ると急速に改善し始めます。通常の2、3倍の勢いで改善が始まります。1人の漢方家で一生の間に2、3回出せれば良いと言われていました。太陽堂漢薬局では糸練功で1日分量を0.1gの単位まで合わせます。そのため年に数回瞑眩と言われる状態を見る事があります。
副作用との鑑別
例えば患者さんが漢方治療前に桂枝加竜骨牡蛎湯証2合だった場合、瞑眩を起こすと桂枝加竜骨牡蠣湯証は0合以下に下がります。もし副作用の場合、桂枝加竜骨牡蠣湯証ではなく別の証が出ます。これが瞑眩と副作用の違いです。他の筋力テストと異なり糸練功を使うと瞑眩と副作用を簡単に鑑別できます。