漢方薬と副作用

漢方コラム
耕三寺 (1)

写真は、広島県尾道市、耕三寺です。

漢方薬は証に合わす

漢方薬は証に合わして用い原料生薬が品質が良い物で選別されていると副作用が殆ど出ません。病名漢方では証に合わす本来の東洋医学ではありません。副反応が多数出現する可能性があります。

蒼朮、茯苓

神経痛や関節症、リウマチなどで越婢湯や麻黄湯に蒼朮や茯苓を加味することが多いです。白朮は裏の胃内停水を動かし、蒼朮は表の骨のミネラルを動かすと思われます。問題は茯苓です。古方の教科書では心臓負担の有る人に茯苓を加味するとあります。臨床的には心臓の弱い人に限りません。茯苓や朮を加える事により強実証の越婢湯や麻黄湯はややマイルドになり中間証の人にまで使える範囲が広がります。これに附子を加えると更に虚性に傾きます。蒼朮は精油が多い木立蒼朮が良いです。しかし精油が多すぎる木立蒼朮は発表する働きが強くなり薬疹が出る場合が有ります。市場に出回っております。お気を付けください。

未完成処方

漢方処方は小宇宙が出来ており、証に合わすと副作用が出ない場合が多いです。古方の桂枝茯苓丸、後世方の乙字湯、補中益気湯、神秘湯などは未完成処方だと思われ対処が必要です。

  • 桂枝茯苓丸は甘草1.5生姜1を加え甲字湯へすると胃腸障害が減少します。
  • 乙字湯は乙字湯甘草大で効果が上がります。
  • 補中益気湯は当帰(浅田流)、人参(木下順一朗)を大にすると効果が上がります。
  • 神秘湯は神秘湯甘草大にします。呼吸困難の発作や副作用を減らします。

加味方量

加味量はおよそ決まっており、古方では蒼朮4、茯苓4、防已5、黄耆5,人参は白人、疎経活血湯加紅花1.5の場合が多いです。

上焦下焦

下焦に働く処方は越婢加朮湯、五積散(頭痛にも使用)、防已黄耆湯、八味丸、六味丸、牛車腎気丸、七物降下湯、苓姜朮甘湯などです。上焦から中焦に働く処方は葛根湯加朮、小陥胸湯、二朮湯などです。上焦下焦の三焦を診ることも証を診る事になります。