磁場を理解し糸練功を取る

鹿児島指宿知林ヶ島 漢方コラム

写真は、鹿児島指宿市知林ヶ島、干潮時に歩いて砂州を渡れます。

東洋医学では人間も含め、宇宙に存在する全ての物質は陰気と陽気で出来ていると考えています。物理学で物質は全て陽イオンと陰イオンから出来ている理論と似ています。

天人合一の思想

東洋医学の独特な世界観です。大宇宙の天の陽気と地の陰気により生命体である小宇宙が誕生する。人間は大宇宙と同じく陽気と陰気を併せ持っている小宇宙である。大宇宙の中に小宇宙があり、更に小宇宙が存在し続けていき、小宇宙の中に更に小宇宙が存在する。

体表解剖学

東洋医学の独特な解剖学です。臓腑の異常や病は体表に全て現れると言う理論が体表解剖学です。望診による舌診、五色、体形など。聞診による声や臭いなど。切診による脈診、腹診などです。

六部定位脈診で全身を診ます。脈診部の小宇宙が全身の大宇宙の反映と考えたのでしょう。耳や足なども全身の反応に繋がりがあります、これも小宇宙です。

糸練功で病的生体を診る

病邪の実や熱証の陽に対し瀉法と判断します。正気の虚や寒証の陰に対し補法と判断します。裏労宮を開いた手背の陽面は陰を感じやすく、労宮を開いた手掌の陰面は陽を感じやすいです。

全ての物質は陰気と陽気で出来ている

東洋医学では、人間だけでなく動物や植物、漢方薬などの薬物や食物も、すべての物が陰気と陽気で出来ていると考えます。全ての物に神が存在すると考える八百万ヤオヨロズの神を信じる日本の神道と似た発想です。

人間では陰気と陽気のバランスが取れている太極が健康体で、崩れると病となります。病となった部分は陰気か陽気のどちらかが支配的です。

漢方薬

漢方薬は陰気が支配的か陽気が支配的です。太極の薬物もあります。薬味の茯苓や処方の半夏厚朴湯などです。服用した患者さんの身体が半夏厚朴湯の陰気を利用したり陽気を利用していると思われます。必要な部分を患者さんの身体が選別しているのかもしれません。一般的に病の陰気には漢方薬の陽気を用い、病の陽気には漢方薬の陰気を用います。陰気が強い病には陽気の強い漢方薬を用います。

食材

食事では主食の常食する米や麦などは太極に近く陰陽のバランスが取れています。副食として食べる肉や海産物、野菜などは陰気が強かったり、逆に陽気が強かったり様々です。胡椒や辛子などの薬味は陽気が強いのが特徴です。

木下は40年近く前にスーパーで色々な食材を糸練功で診て歩きました。糸練功やFT、オーリングテストの出来る術者は試してみると良いです。同じ野菜や植物でも葉と茎の部分は異なります。葉の裏と表でも異なります。根から葉の方へ気が流れている事も分かります。キノコでも同じ反応が出ます。家を建てる時に職人さんは木材の枝先を上に向かって使われると聞いたことがあります。

陰陽の気の強さで合数や厚みが変わります。

生薬を診る時に下剤である大黄は便秘がちな術者が診ると合数が上がり厚みは薄くなる可能性があります。下痢がちな術者は大黄を診ると合数が下がり厚みが強くなると考えられます。

患者さんでも同じことが起こります。術者の体質に近いほど合数は下がり厚みが大きくなります。術者の体質と真逆の患者さんでは合数が上がり厚みは小さくなります。ここに糸練功は術者の状態を太極にしなければいけない理由があります。