2023年1月31日。写真は、広島県福山市の草戸稲荷神社です。
第六感
すべての物質は原子からなっています。原子は陽子と中性子からなる原子核と電子から出来ています。その陽子と中性子の数で質量が決まります。原子核は正の電荷を帯び、電子は負の電荷を帯びています。生体や漢方薬、食材なども一緒です。同じように原子の集合体で出来ています。
磁場と体表解剖学
私どもが臨床に使用している糸練功は生体の電気的電磁場の異常を感知していると考えられています。病の時の六部定位脈診や経絡の反応、望診、腹診なども、病の時の生体の電磁場の異常による身体への表現は、東洋医学では体表解剖学の一つと考えられます。
糸練功は、経絡を流れる電気的信号や磁場の反応を診る技術です。経絡では健康な状態では8ガウスの磁場になっていると言われます。病的状態では経絡を流れる電気信号はもっと強くなると思われます。
漢方治療は、生体から発する電磁場の異常による証の脈診、経絡、望診、腹診、問診などが消えるように漢方薬を組み補瀉をしていきます。鍼やお灸も漢方薬を選ぶのと同様に、ツボや治療点を選び補瀉をしていきます。鍼灸も漢方もまったく同じ東洋医学です。
人間と磁場
地球にも磁場があり方位の北と南が決まります。鮭は磁場を感じ生まれた川へ戻ってきます。魚だけでなく渡り鳥やミツバチもそうです。犬の帰巣能力も磁場を感じる能力です。
人間にも視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚の五感の次に第六感として磁場を感じる能力がある事が、東京大学の実験など複数報告されています。ただ人間は退化し自覚しにくくなっているそうです。
東洋医学と磁場
東洋医学では北と西は陰、南と東は陽と言われます。手の掌は陰、手の甲は陽になります。陰は陽を感じやすく陽は陰を感じやすいです。
糸練功やフィンガーテスト、オーリングテスト、筋力テストの出来る人は、手掌を南か東に向けるとスティック、オープン、筋力低下などの反応が生じます。手の甲では反応が無い事がお分かりいただけると思います。
逆に手の甲を北か西に向けると反応を感知できます。手掌では反応がありません。手を開き労宮を広げると反応が強くなります。また、ビルの中などは鉄筋などで磁場が狂っています。方位磁石を手元に置いてすると方位磁石と同じ結果になります。
陰陽と寒熱
さらに東洋医学では熱は陽、寒は陰になります。方位と同様に、お湯の陽に対しては手掌が反応します。冷水や氷の陰に対しては手の甲が反応します。
この寒熱の反応を利用し東洋医学の証の診断を行います。手掌で反応する患部は、陽証または熱証です。逆に、手の甲で反応する患部は、陰証または寒証になります。
男は陽なり、女は陰なり
男女と陰陽の関係も東洋医学では決まっています。東洋医学では「男は陽なり、女は陰なり」と言われます。また「左は陽なり、右は陰なり」とも言われます。
男女の両手を例に挙げると
- 男の陽の左手陽は、陽中の陽
- 男の陽の右手陰は、陽中の陰
- 女の陰の左手陽は、陰中の陽
- 女の陰の右手陰は、陰中の陰
に成ります。
男の左手の陽中の陽と女の右手の陰中の陰は正反対となり太極になります。男の左手掌と女の右手掌を合わせます。両者の百会ヒャクエで反応を診ると両者とも、糸練功やフィンガーテスト、オーリングテスト、筋力テストの出来る人は、スムース、クローズ、筋力に力が入るのが分かります。太極になっています。太極とはバランスが取れた状態です。
逆に男同士が互いの左手の手掌である陽中の陽を合わすと、陽が強すぎます。太極にならず百会の反応は、スティック、オープン、筋力低下になります。女同士が互いの右手の手掌である陰中の陰を合わせても、陰が強すぎますので同様の結果と成ります。
漢方薬のエネルギーが影響する磁場への反応に対しても、男は左手での反応が強く、女は右手の反応が強いです。糸練功にて漢方薬のサンプルを載せるのも適量診を診るのも、男は左手、女は右手を使用します。
右は水なり、左は血なり
人間の身体は左右対称でしょうか。心臓は右心室より左心室が大きいです。右肺は三葉で左肺は二葉で構成されます。脾臓は左側にあり肝臓は右側に位置します。右側の上行結腸は上へ流れ、左側の下降結腸は下へ流れます。利き手や利き足も左右異なります。
気血水と左右
東洋医学の病因、病の原因に気血水があります。左は血毒との関係が深く、右は気毒、水毒との関係が深いです。
黄帝内経難経の五十六難「肝の積病、積は固まりは左の脇の下にあり、肺の積病は右の脇の下」と腹診でも右腹部に気毒、水毒と関係の深い肺の臓を配当し、血毒との関係が深い肝の臓を左腹部に配当してあります。
古方派の腹診で少腹急結があります。左下腹部の臍の横から股間に向かい他覚的にはしこりを感じます。自覚的には圧迫すると痛みがあります。下焦の陽の瘀血の腹証です。牡丹皮や桃仁などの証です。これも左側が中心です。右は水なり、左は血なりです。
半身不随の左右
万病回春と言う漢方の古典に麻痺や半身不随に使用する2処方が有ります。1つは加減潤燥湯です。もう一つは加減除湿湯です。
加減潤燥湯
加減潤燥湯は、当帰、川芎、芍薬、熟地黄の四物湯に生地黄や桃仁、紅花、黄芩、黄柏などを加え血毒に働く方剤です。また上焦、下焦へ働く薬味が入っています。
- 上半身に効果がある様に黄芩と桂皮を加えてあります。
- 下半身に効果がある様に黄柏と牛膝を加えてあります。
加減潤燥湯は血毒による左半身の麻痺や半身不随に使用します。更に効果を増すには、上半身の麻痺の場合には上焦に働く黄芩や桂皮を追加し更に倍量にします。下半身の麻痺の場合には下焦に働く黄柏や牛膝を追加し更に倍量にします。
加減除湿湯
加減除湿湯は、白朮、茯苓、半夏、蒼朮の胃内停水を取る薬味に陳皮、枳殻、白芷、羗活などの気剤を加え水毒、気毒に働く方剤です。
加減除湿湯は気虚による右半身の麻痺や半身不随に使用します。痛みの強い時は姜黄を加えます。下半身の痛みには牛膝、防已、威霊仙を追加します。ここでも右は水なり、左は血なりです。
上腹部痛の左右
また別な処方を見ると、激しい上腹部痛に使用する2処方があります。良枳湯と解労散です。両処方とも胆嚢炎や胆石症、膵炎、潰瘍などの痙攣や激痛に使用されます。
良枳湯
良枳湯は、茯苓、桂皮、甘草、大棗の苓桂甘棗湯に、加味で半夏、枳実、良姜を加えた苓桂甘棗湯の加味方とも考えられますが、方位は茯苓、半夏の水毒です。右は水ですので右側の痛みが目標だと言われます。弛緩性体質、アトニー体質の人が多いです。右上腹部の激痛が目標です。
解労散
解労散は、柴胡、芍薬、枳実、甘草の四逆散に、加味で別甲、茯苓、大棗、生姜を加えた四逆散の加味方です。病因は血毒です。別甲には塊を消す働きがあります。痙攣性体質、カタル体質の人が多いです。左上腹部の激痛に使用されます。やはり右は水なり、左は血なりです。
参考に。解労散と良枳湯は、実際の臨床では左右に限定せず上腹部痛を目標にした方が良い場合があります。
適不適診
人間の身体は末端ほど経気が強く、体幹は経気が弱いと言われます。
末端の指先には十宣穴があります。私が習った入江FTではここをセンサーとして使います。
私が開発した糸練功では、気功の銅鐘式站椿功の採気法と同じ様な形を用います。労宮をセンサーとして使用します。労宮をセンサーとして使うことによりミスが減ります。
身体の末端の経気が強くても、薬物に反応が最も強い箇所は手掌の上焦部分です。この場合も労宮を開くと更に反応が強くなります。
東洋医学では男性は陽証、女性は陰証。左は陽証、右は陰証となっています。実際に1日量の薬物を載せる場合、男性は左手、女性は右手に載せると反応が更に強くなります。
私は40年近く入江FTと糸練功をしてきました。今までに男性で右手の反応の方が強い方がいらっしゃいました。同様に左手の反応の方が強い女性もいらっしゃいました。不思議に思ったことを記憶しています。このような例外は数百人に1人かもしれません。
通常はこれらの反応は手掌に薬物を載せた時点から1分半ほど続きます。1分半を過ぎると身体の反応は末端から消えだし体幹の反応も消えていきます。
理由は分かりませんが、脳血流障害のある人は反応が遅く薬物の反応が現れるのに数秒掛かります。また反応が消えるのも早く1分半は持続しません。
また薬物の1日量を載せた場合、過量の場合は1分半の間に反応はsmからstに変化します。オーリングテストではクローズからオープンに変化します。量が多すぎる場合は数十秒でもstが出始めます。
最後に、適不適診の時は、百会や愁訴部分、六部定位脈診部、任脉、督脉、顔面診などすべての反応が消失しないといけません。この適不適診は漢方薬だけでなく化学薬品でも応用できます。
副作用診
投与予定の薬物の漢方薬や化学薬品を手掌の上焦部分に載せます。木下深浅診で1合以下に今まで無かった証が出現していると副作用が出る可能性があります。1合以上でも親指を落とす糸練功を取ると副作用診が出来ます。入江先生は生前に、親指の下の筋肉が張るようにと仰っていました。
副作用診に反応がある場合は何処に副作用が出現するのか診ないといけません。アレルギーの反応穴、骨盤横の骨髓の反応、西洋医学の肝臓は最低限に診ます。薬疹などのアレルギーや肝機能障害は可逆的副作用です。ただ骨髓に出る副作用は不可逆的副作用の可能性があります。お気を付けください。副作用は出る人、出ない人がいます。ただ過量になれば誰にでも副作用は出ると思われます。
もう1つ、東洋医学上は本来患者さんが持っている証や体質が悪化することも有ります。誤治です。例えば、副作用診で苓桂朮甘湯証に人参剤を確認すると、殆どの方が血圧に反応があります。人参剤で血圧が上がるタイプです。
患者さんの経気の流れと術者の経気の流れ
陰気は下から上へ流れています。逆に陽気は上から下へ流れています。この身体の現象が糸練功の合数の発見につながりました。
この気の流れは患者さんも術者も同じです。術者の気の流れが、患者さんの気の流れを邪魔しない様にしないといけません。患者さんの気の流れを邪魔すると誤診します。
特にセンサーである術者の腕や指先の気の流れは重要です。術者の心包経絡を患者さんの経絡と平行にします。術者と患者さんの経絡が交差すると糸練功、FTではミスを犯します。smがstに変化します。オーリングテストではクローズがオープンになってしまいます。
患者さんの陰面に陰面を、陽面に陽面をさらさない事も大事です。常に患者さんの身体には術者の陰陽面で対峙します。
また立式で診る時は患者さんの足の指先の十宣穴から気が出ています。それに対し術者の足の十宣穴をぶつけない事。術者の足の陰陽面にて対峙していきます。