牛黄の修行3

2022年5月27日;(写真は 大分県 由布市 由布岳 です。)

牛黄の修行2 から続く

修行が終わった頃、先代の社長は倉庫の1室に僕を招き入れました。
その部屋には天井に届きそうな位の動物薬の鹿茸(ロクジョウ)の山がありました。
社長は鹿茸の山を登られました。実際に鹿茸を踏んで登られたのです。
そして先が丸く太く、骨化の少ない1本の最高の鹿茸を選んでくださりました。

数十万円する鹿茸をたった1日の弟子に下さったのです。牛黄の鑑別が出来るようになったご褒美でした。
代々受け継がれた技である生薬の質に対する先代の思いが、その鹿茸に詰まっていました。
その時の記念の鹿茸は、娘婿の東京太陽堂に今も展示してあります。

社長にお礼とご挨拶をし、鹿茸を抱え薄暗くなった道を駅へ向かいました。
電車に乗るため駅の階段を上がると、息切れがするのです。2階まで上がるのに数回休まないと上がれないのです。死ぬ思いで駅の2階まで上がりました。

通常、牛黄は息切れなどの改善に頓服で0.1g使用します。私はその日に何十gもの牛黄を食べたか分かりません。
牛黄は漢方薬の高貴薬で上薬ですので毒は無いと一般に言われています。
しかし古典では牛黄は「上薬にて小毒あり」となっています。

東洋医学を学ぶ初学の時は、漢方の教科書でも良いと思います。
しかし最終的には古典に戻り勉強するのが、東洋医学を学ぶ者の基本だと思います。

  1. 牛黄の修行1
  2. 牛黄の修行2
  3. 牛黄の修行3