写真は、広島市の原爆ドームです。
不妊症の今昔
私が若いころ40~50年前は、不妊症は当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遙散の3薬方で解消する方が多かったです。現在は婦人科による治療技術が進化し、この3薬方の出番は非常に少なくなっています。
入江の血海
不妊症を診るときに、師匠である故入江正先生は衝脈である血海を診ることをお教えくだされました。任脉の裏側にある衝脈は非常に診難いです。糸練功のセンサーを震わせると診ることができます。でも難しいです。
反応穴
私は不妊症の患者さんを診ているときに共通の反応穴があるのではと推測し共通の反応穴を探しました。三焦経の天髎あたりに共通の反応があります。センサーを独特の角度にし診ると不妊症の人は皆さんが反応します。ただ、この反応穴は高プロラクチン血症には反応しないのです。乳腺を診る方が確実です。左右の乳腺の合数が一緒の場合、高プロラクチン血症の可能性があります。
薬方
- 血虚に対し、人参当芍散、当帰芍薬散、当帰散など。
- 瘀血に対し、加味逍遙散、温経湯、桂枝茯苓丸加黄芩紅花、折衝飲、桃核承気湯、大黄牡丹皮湯など。
- 脾虚に対し、六君子湯、十全大補湯、小建中湯、当帰建中湯、帰耆建中湯、補中益気湯など。
- その他、竜胆瀉肝湯など。
薬方運用の注意点
- 当帰散の出典は金匱要略です。千金要方の当帰湯とは異なります。
- 婦人科の治療を受けている人が殆どです。そのため当帰芍薬散証の患者さんは少なく、六君子湯や当帰散、桂枝茯苓丸の患者さんが多い感じがします。
- 六君子湯証はスクアレンや山薬白参製剤でも代用可能です。補助にも使用します。
- 駆瘀血剤の使用は妊娠が分かった時点で止めます。続けて服用すると流産の可能性が出てきます。
- 男性の減精子症は八味丸証より圧倒的に桂枝加竜骨牡蠣湯証が多いです。竜骨の補助として牡蠣肉を加えた方がより効果的です。次に六味丸加人参3証です。
- 甲状腺に問題があると妊娠しにくいです。半夏厚朴湯関係の方剤で対応する場合が多いです。また山薬白参製剤でも対応できる場合があります。
- 卵管閉塞や狭窄は六君子湯証が多いです。駆瘀血剤も加えることがあります。補助にスクアレン、山薬白参製剤が良いです。六君子湯に駆瘀血剤併用で卵管が通らない場合は難しいかもしれません。
- 内膜が薄い場合は当帰芍薬散証や人参証で内膜が厚くなる人が多いです。

