写真は、鹿児島県桜島です。
お教えいただいた適量診
40年前に入江先生に適量診をお教えいただきました。漢方薬や西洋薬を手掌に載せ病的な愁訴部分が太極になるかどうか判断していました。太極はOTではクローズ、FTや糸練功ではsmで反応します。この時に漢方薬や西洋薬を手掌で握ると判断出来なくなります。労宮が閉まるからかもしれません。
具体的な入江先生の適量診
男性は陽のため左手の経気が強く、女性は陰のため右手の経気が強い事を利用してます。例えば男性の場合、左手の手掌と、左手首と左肘の中間辺りまでを使用します。右手は手掌のみです。女性の場合は左右が異なります。
- 1日量を左手に載せ太極、右手に載せ太極にならなければ1日量が不足しています。
- 左手に1日量を載せ太極に成らず、右手に載せると太極となる時は1日量が過多だと判断します。
40年近く前に発見した適量診のライン
私は1年ほど入江先生にご指導を受けた適量診を使用していました。しかし、どうしても糸練功で診ると完全なsm、stに成らないのです。FTより糸練功の方が感度が高いからかもしれません。40年近く前に私は末端の経気が強い事を利用してはと考えました。手掌の末端より体幹に向かい経気が弱くなります。手掌より肩までの間に無数のラインがあるのです。そこで適量診を行ってみると病態の強さや患者さんごとに適量診を診れるラインが存在するのです。
軟膏材や目薬など外用薬を適不適診する時に気付いたことがあります。通常の適不適診は術者のセンサー側の示指と中指の間に挟んでします。示指と中指、中指と薬指、薬指と小指では経気の強さが異なります。順に弱くなるのです。また示指と中指でも指先に行けば行くほど経気が弱くなります。
適量診で気づいた事を以下に纏めます。
- 急性の場合は、症状が激しいので適量診通り又は少しだけ多めでもで良いです。
- 経験的に慢性の場合は陰病は1.2~1.3倍、陽病は1.15~1.2倍ほどが良い事が多いです。
- 日内変動する鬱病などは午前中が悪く夕方から症状が軽くなります。適量診を診た時間帯により悪化する時間帯の分量を推測します。
- 婦人科など高温期と低温期で適量が変わる事を考えます。高温期は駆瘀血剤の分量が多くなり、低温期では血虚の漢方薬の分量が多くなります。
- アトピーや喘息など体内ステロイド量に左右される疾患では、1日の時間帯に注意が要ります。
- アトピー性皮膚炎や真菌症は湿度の影響を受けます。気温に左右される高血圧や附子剤、大黄剤も注意が必要です。季節性を考え処方量を変化させます。
- 大黄と芒消は便の状態で変化しますが、大黄は心、心包に属します。苦みで乾燥し固めて降の働きです。芒消は腎に配当され潤して柔らかくし降の働きです。同じ降でも大黄と芒消は相剋です。軟便の患者さんでも芒消の必要な方は多いです。大黄は処方全体量が一定でも増減があります、症状や便の具合で変化します。芒消・朴消ですが腸の熱には硫酸マグネシウムの芒消を使い、精神神経症には硫酸ナトリウムの朴消をが効果的です。
- 附子は大黄と異なり全体量に対し一定です。処方全体量が2/3量に成れば附子量も2/3量になります。
- 現在、漢方治療中の場合は適量診に服用している漢方薬の影響が出ます。手掌にて服用している漢方薬に影響されない適量診を見つけ公開しています。この方法は任脉でも出来ます。
- 身体の末端の手掌などは1分以上すると、直筆の字や薬剤に対する反応が弱くなり消えていきます。体幹は末端に遅れて消えていきます。1分以上の糸練功やFTは少しの休憩が必要です。
- 漢方1剤で強く押し治療するより、方意が異なる数剤の漢方薬や補助剤で押す方が、患者さんの身体にも負担が少なく効果も良いと考えられます。