黄耆(オウギ)Vol.15

生薬-黄耆

2018年1月

マメ科の多年草の根茎

一般的に黄耆は、綿黄耆が質が良いと言われています。

黄耆とは別に、イワオウギの種類で「晋耆」と言われる生薬があります。「晋耆」も黄耆としての品質は高い生薬です。

「耆」は、年配者・長老の意味です。

黄耆は、「補薬の長」と言われています。「補薬の長」で黄色の物が良いとの意味で「黄耆」の名前が付きました。

  • 消化器が弱く「気」が虚している(弱っている)時は、「人参」を使用します。
  • 造血機能や女性ホルモンの異常で「血」が虚している時は、「当帰」を使用します。
  • 東洋医学独特の概念で難しいですが、「気」や「水」が皮膚の表面から漏れたり、内臓から消化器内に「気」が漏れ虚している人に「黄耆」を使います。

綿黄耆の選品は、とにかく太い事です。1本の綿黄耆でも根本部分は太く、先は細くなります。同じ1本の黄耆でも根本部分は一級品で、先の細い部分は二級品・劣品になります。

また太い黄耆ほど「スカ」が入っており、「スカ」入りは太くても劣品となります。

黄耆を使った処方

  • アセモ、アトピー、滲出性中耳炎等に使用する桂枝加黄耆湯。
  • 疲労や寝汗、虚弱体質、微熱等に使用する補中益気湯。
  • 内臓下垂や太陰病の虚証に使用し体力をつける黄耆建中湯等があります。

桔梗(キキョウ)Vol.16

生薬-桔梗

2018年2月

<多年草の桔梗の根>

桔梗は夏から秋にかけ綺麗な紫の花を咲かす多年草の花です。よく草原に咲く「釣り鐘人参」と呼ばれる綺麗な淡い紫の花も桔梗の一種です。

桔梗の根は、白い物ほど効果が高いです。褐色の桔梗根は劣品になります。

劣品の褐色の桔梗根を硫黄で晒し、白い良品の桔梗根に見せかけた漢方薬が市場には出回ることがあります。

桔梗の主な成分はサポニンと言われています。

  1. 桔梗には、肺・気管支・鼻の炎症を除く、清熱作用があります。
  2. 桔梗のプラチゴジンと言うサポニンは、膿を溶かす働きがあります。それが桔梗の排膿作用になります。
  3. 桔梗は「船梶の剤」と呼ばれ、他の漢方薬の働きを身体上部へ引っ張る働きがあります。

桔梗と免疫

桔梗は実験では免疫機構のマクロファージを活性化することが分かっています。マクロファージを活性化するのであれば、桔梗は全身の免疫に効果が有りそうです。

しかし漢方では桔梗は身体上部、もしくは身体の表面の疾患にしか使いません。また実際に身体の深部には効果がありません。

動物実験ではなく、昔から伝えられた漢方の桔梗の使い方に従い、身体の上部または身体の表部に使用すると効果が出ます。

松葉(ショウヨウ)Vol.17

生薬-松葉

2018年3月

<マツ科のアカマツの葉>

今回は日本では馴染みの薄い漢方薬「松葉」について書いてみます。

松葉は、「仙人の食」と言われ、「穀類を断ち松葉を食べ不老長寿を目指した」との言い伝えがあります。

漢方では風湿や痒みに使用します。

その為、リウマチ等の関節痛、浮腫み、打撲症に用いていました。

民間療法

民間療法では、生の松葉を毎日噛み、高血圧、便秘、脳卒中後遺症に使用されていました。

また、新鮮なアカマツの葉を焼酎に漬け「松葉酒」も造られていました。

松葉の働きを考えるに

漢方で使用されていた「琥珀」の働きが参考になります。琥珀は古代のマツ科の樹脂の化石です。(ジェラシックパークに出てきた琥珀です)

味は甘く、平、無毒となっています。

生薬の古典「神農本草経」には、「琥珀は血分に入る。手少陰心経は血を主り、足の厥陰肝経は血を蔵す」とあります。

「驚を鎮め、瘀を散し止血、水を利し淋を通す」と言われています。驚(精神興奮)を鎮める。瘀血を取り止血する。尿を出し膀胱炎を治すの意味です。

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