掻痒症の漢方1

2022年6月11日;(写真は 福岡市博物館 です。)

漢方に相談に来られる患者さんで、皮膚掻痒症の患者さんは意外と多いです。
掻痒症は発疹が無いのに痒みが酷い疾患です。

望診でも痒みを訴えるのに発疹などがありません。痒みが酷いのか、引っ掻き傷が目に付く場合が多い疾患です。

漢方での診断はアトピー性皮膚炎の様に燥湿ではなく、蕁麻疹と同様に三陰三陽(サンインサンヨウ)で診る方が判断しやすい疾患です。

表から半表半裏(ハンヒョウハンリ)が中心となりますので、太陽病(タイヨウビョウ)や少陽病(ショウヨウビョウ)の病位の患者さんが多いです。
太陽病の桂枝湯(ケイシトウ)関係、麻黄湯(マオウトウ)関係、葛根湯(カッコントウ)関係。桂麻各半湯(ケイマカクハントウ)や桂枝二麻黄一湯(ケイシニマオウイットウ)なども汎用されます。
少陽病では解毒関係の黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)、黄連解毒湯の合方である温清飲(ウンセイイン)、茵蔯五苓散(インチンゴレイサン)、消風散(ショウフウサン)。
陽明病(ヨウメイビョウ)位になりますが、解毒作用の強い茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)なども汎用されます。

また精神的(五志の憂)な問題で痒みが出る事があります。糸練功(シレンコウ)や入江FT、オーリングテストOTが出来る方は前頭部で確認すると良いでしょう。
この場合、五志の憂の治療をすると痒みが解決すると思われます。

肝経に沿った陰部を中心とした下焦に痒みが集中する時は、肝経の湿熱(シツネツ)を取る竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ)が適応する場合が多いです。トリコモナスなどの感染症のファーストチョイスにも竜胆瀉肝湯は使われます。

掻痒症の漢方2 へ続く