めまい(眩暈)の原因と治療法

めまい(眩暈) - 漢方相談

漢方の得意分野です。

めまい眩暈は、東洋医学で頭眩(ずげん)と言います。また何か重いものを頭にかぶっているようで、頭がボーッとする眩暈は、冒眩(ぼうげん)と言います。

めまい眩暈の状態

めまい眩暈とは、安静時あるいは運動中に自分自身の体と周囲の空間との相互関係・位置関係が乱れていると感じた時に生じる症状です。古書では,「眼の前のものが揺れ動いて、あたかも鴨居に懸けた物がゆらゆらとして定まらないと言った感じ」を眩としています。

健康な方でも,「地震かな」と周囲の人に尋ねた経験があるのではないでしょうか?一般的には、自分自身や周囲が動いていないのに動いているという違和感のある誤った運動感覚を感じている時、めまい眩暈の症状を訴えることが多いです。

めまい眩暈は重症として扱われにくいですが、症状をお持ちの方はとても辛い日々を過ごしています。まず原因について学び、精神的にも症状に追われる日々を軽減できるよう改善に向かって取り組んでいきましょう。

◆めまい眩暈の原因

脳は、

  • 内耳の三半規管や耳石器からの信号
  • 目からの視覚情報
  • 手足・首などの筋肉や関節からの知覚情報

など、大きく分けて三つの感覚器(アンテナ)のシグナルを受けて自分の運動や姿勢を認識します。しかし、その三つのアンテナ同士のバランスが崩れたり、脳へ伝わるシグナルがそれぞれ誤ることにより、めまい眩暈の症状が現れてきます。

ストレス性めまい眩暈

めまい眩暈は、誰でも一度は経験されたことがあるのではないでしょうか。クラっと立ちくらみしたり、耳が変な感じになったり・・でもいつの間にか症状が治まったりします。

症状が慢性的に続いたり、一時的にでも症状が激しいものだったら、悩みの種になります。お年寄りの方だけでなく、ストレスの多い働き盛りの若い方にも、めまい眩暈は多いようです。

「手足のしびれ・舌のもつれ」等を伴う

めまい眩暈のタイプは様々で、他の病気の随伴症状として現れる場合もあります。

手足のしびれ・舌のもつれ・吐き気・ものが二重に見えるなどの症状が現れた時はすぐに病院へ。脳出血や脳梗塞の疑いがあります。

しかし、脳梗塞等の疑いも無く、検査上これといった原因がないのに、激しいめまい眩暈症状が現れる場合も多いです。

梗塞性の脳異常

脳の血流が悪くなると血栓が形成されやすくなります。さらにそれが悪化すると脳梗塞へと進行していきます。

脳梗塞になった部位は正確なシグナルを送ることができず、それにより「めまい眩暈」として症状があらわれてきます。

病院の検査でも見つからない程度のごく僅かな梗塞でも原因になることが多くあると言われています。

◆めまい眩暈と内耳の構造と働き

内耳の構造と働き

めまい眩暈と内耳は関係が深いです。耳を外耳・中耳・内耳と三つに分けた時に最も内側にある部分を内耳と言い、内耳は蝸牛と前庭、三半規管からなります。内耳は中耳からの音を信号に変えて脳へと送ったり、体の平衡(バランス)を保つ働きをします。

内耳の働きが低下すると体のバランスが保てなくなり、脳に信号を送る際に誤報を伝えてしまうと、めまい眩暈が症状として現れてきます。

めまい眩暈や平衡障害を訴える人の約80%が、内耳障害が原因だと言われています。従って内耳は切っても切れない関係なのが分ります。

◆めまい眩暈の診断検査

めまい眩暈は、起こり方から病名が付けられることが少なくありません。目安として、回転性めまいは迷路性。浮動性は中枢性の診断ポイントになりますが、必ずそうだとは言えません。迷路性は、回転性が多いが浮動性も少なくなく、中枢性にも回転性めまいはあります。

平衡機能検査

めまい眩暈診断の中心となる検査です。

その他、めまい眩暈の検査

めまい眩暈は、各種疾患に現れる症状のため、疾患に合わせて以下の検査も行われます。

  • 耳鼻咽喉鏡検査
  • 聴力検査
  • 脳・脊髄神経検査
  • 脳波・筋電図検査
  • 心理学的検査

など病院によって必要とされる検査が行われます。

◆西洋医学的な治療

まず、めまい眩暈を引き起こす原因を取り除くことが必要と考えられます。ストレス、過労などが原因の場合があります。発作中は安静にし横になるか座り込むと良いようです。強い頭痛(慢性頭痛)や意識消失がない限り、命に別状がないことが多いので、まず気を落ち着かせることが大切です。

精密な検査を行い、適切な治療を行います。また症状が収まっても、内服薬で再発の予防に努めることが大切です。

めまい眩暈で、西洋医学的には手術的治療が必要となる病気もあります。メニエール病、外リンパ瘻、聴神経腫瘍などです。内服薬による治療が効果ない場合や両側のメニエール病では、手術を行うこともあります。

薬物療法

発作時に、その症状を抑える薬(服用、注射、点滴等)による対症療法と予防が主になります。

  • めまい眩暈や吐き気を抑える薬
  • 抹消血管の血行を良くする薬
  • 安定剤(ストレス緩和や睡眠障害などの、誘因の予防)
  • 利尿剤(体内の余分な水分を排出することによって、リンパ水腫を改善する為に用います)

治療には、いろいろな薬が応用されています。例えば、脳循環代謝改善薬、ビタミンB12(メチコバール)、抗血小板薬、漢方薬、副腎皮質ステロイド薬などです。

◆漢方とめまい眩暈のタイプ

めまい眩暈は、漢方の得意分野です。症状は様々なタイプにわかれます。ここではその中でも代表的なタイプをご紹介いたします。

回転性の「めまい眩暈」

主に自分自身や、周囲がグルグルまわる感じをいいます。他にも物が左右や上下に流れるように感じることもあります。平衡器官の急激な変化や、耳や脳の病気などにより起きることがあります。漢方薬では、澤瀉湯や呉茱萸湯の適応と成る事が多いです。

立ちくらみ

主に急に立ち上がったり、顏を上げた瞬間にクラッとしたり、長く立っていて目の前が暗くなる感じることをいいます。普段から低血圧気味の人や、逆に高血圧気味の人はこのタイプが多いです。また、脳の梗塞や硬化症の人もこのタイプが多いようです。漢方薬での代表例は、苓桂朮甘湯が合う人が多いです。

浮動性の「めまい」

主に歩いている時、座っている時に体がフワフワする感じの事を言います。よく雲の上をフワフワ歩いているような感じと言われる人も多いです。さらに頭痛や吐き気を併発する場合もあります。真武湯などが合う人が多いです。

◆東洋医学では原因を

  • 胃が冷えると、胃の周囲の血管が拡張し胃を温めようとします。その時に同時に脳内血管も反射的に拡張されて起きるめまい眩暈。使用される代表的漢方薬;呉茱萸湯、真武湯他
  • 血虚が原因の場合。ストレスや自律神経等が原因で、血液が十分に頭部に廻らずに起きます。使用される代表的漢方薬;苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯他
  • 経絡の流中の異常、漢方医学の独特の概念で生じるめまい眩暈。特に心経絡・小腸経絡・膀胱経絡・脾経絡等の異常。使用される代表的漢方薬;香蘇散、柴胡桂枝乾姜湯、沢瀉湯他

めまい・メニエル病は、東洋医学・太陽堂漢薬局の得意分野です。