「貴方に合う漢方薬」体質は、みんな一緒でしょうか?

体質

  1. 「男性と女性でも異なります」。一般に、女性は血虚と古血体質の両極端になりやすいです。
  2. 「身長・体重が異なります」。痩せていても筋肉質の人やガッチリ型の人は実証となりやすく、筋肉の弱い・柔らかい人は虚証となりやすいです。
  3. 「肌の色が違います」。漢方医学では肌の色の違いでも漢方薬が異なります。一般に色黒の人には解毒証体質が多くなります。
  4. 「体温も顔色も尿の色も異なります」。体温が高い、赤ら顔、尿の色が濃い人は、熱証です。逆に体温が低い、顔色が悪い、尿色が薄い人は寒証になります。
  5. 「口の乾きと尿量」。口が渇き、水分摂取が多い人は、熱証です。口は渇いても水分摂取量が少ない、冷たい飲み物が苦手な人、尿量が多い人は寒証となります。

ここに挙げたのは少しの例ですが、漢方医学では体質の見分け方に、多くの証(体質と病状)の見分けるポイントがあります。

【 体質 】と漢方薬治療による取組み

体質が異なれば、同じ病気でも漢方薬は異なります

  1. 同じ風邪でも体質により漢方薬は異なります。
  2. 花粉症でも、くしゃみ中心なのか?鼻水中心なのか? 更に症状の激しさ、舌の歯痕の違いでも漢方薬が異なってきます。
  3. 肝炎でも肝臓の繊維化が進むと、B型肝炎とC型肝炎では漢方薬が異なってきます。
  4. 不安神経症やパニック障害等も、一人一人性格が異なるように漢方薬が異なります。東洋医学では精神病状により「五志の憂」を鑑別し治療していきます。漢方では一人一人の精神病状を「五志」と「七情」に分類し治療を行なっていきます。
  5. 例えば、七情の「恐、驚」が強いとパニック障害を起こし、五志の「思」が強いとうつ病が出てきます。また「悲、驚、恐」が強いと過呼吸等の症状が出てきます。ヒステリーは「悲、憂」の反応が強く出る場合が多いです。また「怒」が強いとパーキンソン病などの振るえ(振戦)が出てきます。これらを全て「五志の憂」と捉えます。
  6. 「五志の憂」(東洋医学上の精神神経状態)は、漢方治療の判断に使用します。五志とは、「怒、 喜、 思、 悲 、 恐」の5種の精神状態。七情とは、「怒、喜、 思、 悲 、憂、恐、驚」の7種です。
  7. 全てのお病気で、一人一人漢方薬が異なります。それが漢方医学・東洋医学です。

漢方医学は基本的に西洋医学とは異なります

  1. 例えば風邪で発熱した場合、西洋医学では解熱剤を使います。東洋医学では逆に身体を温め、体温を上げる葛根湯 や麻黄湯等の薬方を使います。
  2. 人間の身体には正常化作用があります。漢方薬で一時的に熱を上げると、体温調節中枢が働き自然に発汗し解熱します。但し、どこまで熱を上げるかは患者さん一人一人の病状と体質で異なります。
  3. その為、風邪の発熱一つ取っても数多くの薬方が準備されています。

有名な葛根湯は風邪だけでなく

  1. 葛根湯は、頭痛 、肩こり、蓄膿症 、結膜炎、中耳炎、おでき、蕁麻疹 、下痢などにも汎用される薬方です。
  2. 漢方は病名では使いません。症状体質を考え、東洋医学独特の診断に基づいて使用されます。

漢方薬の正常化作用

  1. 多くの漢方には正常化作用があります。
  2. 例えば、糖尿病に汎用する六君子湯は、糖尿病の人が服用すると血糖値が下がります。同じ六君子湯を胃腸虚弱の人に使うと、血糖値は下がらず胃腸が強くなります。
  3. また、黄連解毒湯と言う薬方を高血圧症の人に使うと血圧が下がります。同じ黄連解毒湯を肝炎の人に使うと肝機能は改善しますが、血圧は下がりません。漢方は、東洋医学理論に基づいて使用すると生体正常化作用があります。
  4. では漢方薬で副作用は起こらないのでしょうか??以前に「小柴胡湯」で間質性肺炎の副作用が多発したことがあります。新聞やテレビ等でも大きく長期間に取り上げられましたので覚えていらっしゃる方も多いと思います。実際に間質性肺炎の副作用が生じたのは、ある限られた製造メーカの製品だけでした。
  5. 原料生薬の違いにより、大きく作用が異なります。防已という生薬で心臓負担の副作用が報告された事もあります。原因は、生薬として品質の悪い防已でした。
  6. しかし、アレルギーによる過敏症は生薬でも注意しなければいけません。
  7. 私(太陽堂漢薬局)は東洋医学に40年近く携わってきました。患者さんへの投薬数は延べ数万人になります。一般的に証の見立てが良く、生薬原料の質が良ければ、副作用が出ることは殆ど無いと思われます。

漢方医学で体質改善?

  1. 漢方治療は、体質改善すると言われています。親から頂いた遺伝子DNAは変えることは出来ません。しかし、食事や生活環境等で体質は変わっていきます。
  2. 漢方薬で気管支喘息を治すと再発することは殆どありません。坐骨神経痛の漢方薬治療でも再発することは殆どありません。
  3. 同じ親から生まれても、喘息の出る子と出ない子がいます。同じ遺伝子DNAです。東洋医学の体質改善で遺伝子を変えることは出来ません。しかし、東洋医学で喘息の出ない体質に変えることは出来ます。
  4. 東洋医学での体質改善後は、元の体質に戻らないように、運動・休息・食事・精神面等の養生を守り体質の維持に努めます。
漢方の醍醐味