漢方の醍醐味・伝統漢方研究会

伝漢研を設立した意義

本物の山梔子

*写真は、本物の山梔子。日本では少ない薬用山梔子、形状は丸みを帯びています。日本の横に長い形状の山梔子は水梔子と呼ばれる染色用です。日本では、この染色用の水梔子が一般的に漢方薬として使用されています。

伝統漢方研究会設立へ

漢方専門の私は、入江先生にお教え頂いた当時、鍼灸をしたくて仕方がありませんでした。ただ私には鍼灸の免許がありません。免許が無いので患者さんに鍼灸の治療は出来ませんでした。

真剣に鍼灸の免許を取得しようと考えたこともありました。また、マスターベーションで入江先生にお教えいただいたイオンパンピングなどを家族相手にしたこともありました。

東洋医学には大きく分けて、湯液(漢方薬)、鍼灸、導引(気功や整体)の3つがあります。昔は一人の東洋医学者が患者さんを診て、この3つの治療を使い分けていました。

私は古代伝説の華陀や扁鵲のような天才ではありません。また浅田宗伯先生は、往診に行かれる駕籠の中でも古典を読んで勉強していらっしゃったそうです。でも15年前の私は酒は飲み、旅行はする、テレビやビデオもみます。暇さえあれば釣りばかりしていました。そんな私が天才の先人や浅田先生のように成れる筈がありません。

餅は餅屋です。鍼灸、導引はその専門分野の方に任すべきだと考えました。私はせめて漢方だけでも追求しようと思いました。そしてそれが糸練功の開発となりました。現在まで漢方で治癒率を確実に上げてきていると自負しています。

古典芸術も陶器、日本画、茶道・・・、それぞれの専門家がそれぞれの道を追求しています。やはり餅は餅屋です。

我々伝統漢方研究会は漢方を志した以上、鍼灸や導引に対する欲望を押さえ、一途に漢方を追求する義務があると考えています。

京都の伝統文化を伝えるある学校では「200年前の陶器を再現できる能力・人間を育てます。国宝を創れる陶芸家を育てるのが目的ではない。」そうです。私は、伝統とは先人の伝えたものを再現し更に伝えていく事だと考えています。

「漢方」の意味は「日本に伝承された漢の時代の傷寒論を中心とした日本独自の伝統医学、方」の意味です。

現在「中医学」も漢方と言う風潮があります。20年前(1970年代)、中国には「漢方」の言葉は在りませんでした。中医学は中医学であり、漢方は「日本の伝統湯液医学」のことです。

東洋医学には湯液・鍼灸・導引があり、その湯液の中で更に中国で進化したのが「中医学」、朝鮮半島では「東医・韓方」、日本では「漢方」です。

伝統漢方研究会は、「漢の方」を日本の風土に合わし独自に発達した伝承医学「漢方」の伝統を糸練功の技術を駆使し守り伝える会として創り上げてきました。

2000年前の湯液医学を再現し更に伝えていく。皆で「伝統漢方家」に育つための会、それが伝統漢方研究会です。その中で天才漢方家が出現するのは拒みません。しかし天才漢方家を育てるのが趣旨ではありません。

私達は、2000年間に人体実験によって完成された湯液医学の一部しか、まだ学んでいません。数十年の人生で2000年の蓄積された医学をすべて学べないと思います。

薬方を学び、薬方の経別配当をし、薬味を学び、薬味の経別配当を完成させていく。入江先生が100薬方ほどの経別配当を完成されました。私が300薬方ほど作ってきています。まだまだ数百の薬方を配当する作業が残っています。

入江先生にお教しえ頂いた短い時の間に、こんなに直向な方がいらっしゃった事にショックを受けました。私にとっての入江先生は、東洋医学の術の師であり、東洋医学に対する心の師でもありました。入江先生の手がけられた経別配当を完成させねばと考えています。

また入江先生は薬味に関しては、よく「薬徴(吉益東洞)」を参考にされていました。しかし薬味の配当は全くの手つかずです。すべての配当が終わり、初めて伝統漢方研究会の漢方が完成します。数千年の東洋医学の歴史の中で誰も完成し得なかったと思われる一大事業です。

夢かもしれませんが、日本の漢方薬原料は品質が低下し価格は高騰しています。低品質の物が最高の値段で流通しています。もっと良い物を患者さんに安く提供できる流通を少しでも確立していく事。それも、学者ではなく実践家である我々の義務ではないかと思っています。(流通は一部実現しつつありますが)

漢方の「術」と漢方の「道」は違います。「術」は目の前の現実を解決する多様な技であり、「道」は方向性の有る心があります。「術」は「道」に従い学ぶべきものだと考えています。

東洋医学には様々な分野があります。それぞれの専門化がいます。伝統漢方研究会は、「何でも屋」ではなく「漢方道」を追求していく組織です。他の専門分野は他の専門家に任し、我々は漢方の専門家でありたい。それが真剣に患者さんに対応できる我々の道だと思っています。

漢方を勉強するにあたり、確かに漢方以外の東洋医学の広くて浅い知識も必要です。我々が中医学や導引や鍼灸の知識を取得するのは、自らの漢方医学を発展させるためあり、導引や鍼灸をやるためではありません。

同様に伝統漢方研究会では、鍼灸家の入会を拒みません。鍼灸家が漢方の知識・技術を取得し自らの鍼灸の腕や見識を広げるお手伝いが出来れば良いと考えています。

最後に

誘惑に負けず、ひたすら「漢方の道」を守るから我々伝統漢方研究会の存在の意味があると思っています。

伝統漢方研究会にご興味の有る方は、伝統漢方研究会のページもぜひ覗いてみて下さいね。