安定剤の投薬を受けているが、良くならない

自律神経失調症

自律神経によるうつや不安感と手掌汗。かけ橋掲載分

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うつ症状を伴う不定愁訴

1956年生、女性

自律神経失調症による不定愁訴を訴えての相談を受けた。現在病院で安定剤の投薬を受け服用しているが、良くならないとの事で相談に来られた。
患者さんは多彩な症状を訴えられた。不眠症、両方の肩こり、立ち眩み、足がガクガクする、疲労感、車を降りると動悸がするなどである。生理痛があり、便秘がちである。手掌は発汗し交感神経の興奮が強いと思われる。また朝方は調子が悪くうつの証に特異の日内変動が見られた。
問診、望診の結果、眼瞼粘膜は充血し、口乾がある。便秘がちで尿の回数が少なく、舌診ではやや潤、微白苔。少陽病位虚証と思われる。
医療気功の糸練功で調べると、東洋医学の腎の臓に五志の憂、自律神経の異常、三焦の腑に便秘、肺の臓に生理痛を各々確認した。生理関係と自律神経に関係が認められないため、治療は腎の臓だけとした。
腎の臓1合5プラス。異常を改善する煎じ薬を主方に、ミネラル製剤を補助として投与。
15日後、2.5合2プラスに改善。
1ヶ月後、4合1プラスに改善。症状の改善が少しづつ始まる。
1ヵ月半後、病院から投薬されている安定剤の服用を本人が中止したと仰った。
3ヶ月半後、少しフワフワする眩暈があるとの事。
4ヵ月後、7合プラスマイナス2に改善。非常に調子が良くなってくる。
10ヵ月後、10合プラスマイナスに改善。以前の症状は消失し、ほぼ治療終了となる。

交感神経緊張による手足の冷えと手掌汗

1958年生、男性

以前、腰痛の治療を行っていた男性より手足の冷えと手掌汗の相談を受けた。
手足の冷えや手掌汗の原因はいくつか考えられるが、この患者さんは、交感神経の緊張によって末端の冷えを生じる四肢厥逆の証が出現していた。
漢方薬を飲み始めてすぐ、気分的に冷えと汗が軽くなった感じがする。
服用開始から3ヶ月後、「緊張した時に手足が冷えて、冷や汗が出る。頭部が痺れる事もある」と訴えられた。ストレスで交感神経が興奮すると、手足の冷えと汗だけでなく血管内では血栓が出来やすくなる。血栓予防の食養生をお伝えした。また、この時点で糸練功の合数は7.1合の状態。2、3ヶ月すると症状は安定してくると思われた。
それから2ヶ月後、緊張した際の手足の冷えと手掌汗や冷や汗は弱まっている。緊張そのものも弱まって来た。後を追う様に頭の痺れも落ち着いて来た。漢方薬を3分の2量へ減薬した。
順調に改善が進んでいたが、仕事で緊張すると頭が痺れる。鎮静作用のある生酸棗仁を追加した。
漢方薬を3分の2量に減らしてから4ヶ月後、更に2分の1量へと減薬した。
精神的な状態は落ち着いている。性格的にとても人に気を遣う体質をお持ちで、緊張やストレスでまだ手足の冷えと汗がある。体質に合った食養を実践され、再発防止の段階まで到達。治療終了となった。

不安感の強い自律神経失調症

1967年生、女性

不安感、手足のだるさ、イライラがあり、精神的に不安定になっているご婦人から漢方相談を受けた。
動悸がするとイライラが強くなる。日中の眠気もあり、兎に角、疲れやすいとの事。病院の検査では特に異常は見られなかった。
血圧が低く、顔色も貧血色。身体全体の冷えが強く寝汗あり。問診では、少陽から太陰の虚証と思われた。
更に糸練功にて確認し、冷えと自律神経失調症の病態を別々に捉えた。

2つの治療を同時に行う事が困難だった為、自律神経失調症の治療に取り組む事とした。
気の上衝を抑える漢方薬をお飲み頂き、2週間程でイライラが落ち着いて来た。
胃のムカつきが出て来たとの事、こちらも糸練功で調べたところ、胆石の影響で胆汁の流れが悪くなっていると思われた。後日、病院にて胆嚢ポリープが3個見つかり、ポリープ体質に用いる錠剤も併せてお飲み頂いた。
イライラした時に飲む頓服、開窮薬を併用しながら治療を進めて行った。イライラや不安感が治まった状態が続き、夜もよく眠れて日中の眠気も無くなったと喜ばれていた。

その後、ホルモンバランスの崩れによる体調不良や無気力感などが現れたが、気毒と水毒を改善する漢方薬に切り替え、自律神経失調症、ホルモンバランスとも安定し快適な日々を過ごせる様になられた。