いぼ痔(内痔核・外痔核) - 漢方相談

いぼ痔(内痔核・外痔核)は、内臓下部の血滞・血栓性が原因として有ります。軟膏や座薬などの表面的な治療では無理です。だから治らないのです。原因である内臓下部の血滞を漢方で解決します。だから治るのです。

いぼ痔(内痔核・外痔核)が出来やすい人

女性は出産等で内臓下部にうっ血が生じやすいです。他に、お酒を飲む人は肝臓の門脈部の血流が低下し、本来は肝臓へ行くはずの血液が内臓下部に流れ、肛門部に血流が貯まりやすくなり、外痔核・内痔核(いぼ痔)の原因を作ります。

いぼ痔(内痔核・外痔核)の養生

便秘を避ける

いぼ痔(内痔核・外痔核)の養生

便意を我慢しない、便秘は禁物です。また下痢は肛門部が不潔になり易いです。

食物繊維を多くし必要なら適切な便秘薬を使用する。少しでもスムースな排便を行い、腸内細菌を正常に保つために火を通した野菜(水溶性繊維)を多めにします。

お風呂で十分温まる

シャワーでなく出来るだけ入浴にて、お尻の血流を改善する。入浴で温まると、下半身に停留した血液は上半身に戻りやすくなります。

お酒を控える

お酒の摂取による肝臓の負担を取り、肝臓の血流を回復させることが大事です。刺激物等も避けます。

立ちっぱなしを避ける

長時間の同じ姿勢は控え、軽い運動やストレッチをする。同じ姿勢でいると血流が停滞します。適度に必ず下半身を動かしてください。

◆いぼ痔(内痔核・外痔核)の原因

肛門周囲に分布する静脈叢(じょうみゃくそう)がうっ血し、こぶを造ったのがいぼ痔(内痔核・外痔核)です。一般に「痔」で悩む大多数の方が、これで苦しんでいらっしゃいます。

肛門周囲に分布する静脈叢

肛門の歯状線(しじょうせん)あたりには細い静脈の塊があります。これは正常時には、肛門のクッションの役割をしています。

ところが色々な原因で静脈の流れが悪くなると、その部分が膨らんで、球のようになります。これが、いぼ痔(内痔核・外痔核)です。

肛門は神経が発達しているので、いぼ痔(内痔核・外痔核)が神経を圧迫し激しい痛みを起こします。

排便の時、肛門は拡張します。しかし、いぼ痔(内痔核・外痔核)部分は、健康な部分のように拡張出来ません。そのため排便の時に裂けて出血を起こします。

この裂けた部分に細菌が感染すると、炎症を起こし、腫れ・激しい痛みのため動けなくなる事があります。

いぼ痔(内痔核・外痔核)の程度

徐々に肛門外へ脱出していきます。いぼ痔(内痔核・外痔核)は、程度により1~4度に分けられます。

1度

肛門外への脱出がない状態です。

2度

排便時に脱出しますが、自然に元に戻ります。

3度

排便時に脱出し、押し戻さないと元に戻りません。

4度

常時脱出の状態です。

外痔核

内痔核が、長期に渡り脱出を繰り返していると、外痔の静脈叢(じょうみゃくそう)も膨らんで、皮膚が球状に盛り上がります。これが、いぼ痔・外痔核です。血栓(けっせん)や血腫(けっしゅ)ができると、更に痛みが激しくなります。

一般に、外から見える痔核・いぼ痔を外痔核。肛門の内側にあり、普通の方法で外から見えないのを内痔核と言います。

◆いぼ痔(内痔核・外痔核)の漢方治療

どうして?何故? 痔が悪化するか、考えましょう!!

外痔核・内痔核(いぼ痔)の治り方は、個人差があります。以下は、一つの目安として参考にしてください。

漢方治療期間

いぼ痔(内痔核・外痔核)の場合は、血流改善薬と適方薬方を併用すると、1~6ヶ月程で痔核が縮小してくるのが一般的です。また3~9ヶ月程で、消失する人が多いようです。出血のある方は、止血薬を併用すると、通常1~3ヶ月程で出血が無くなってきます。

肝機能の改善も必要

肝臓の血流が悪いと、いぼ痔(内痔核・外痔核)は良くなりません。お酒を飲む方、肝臓が気に成る方は、肝機能改善薬を併用していきます。出来るだけ、お酒を控えるか禁酒が必要なこともあります。

痛みの激しい外痔核・内痔核(いぼ痔)

痛みが激しい時は、漢方薬で非常に効果的なことが多いです。ぜひお試し下さい。

長年患っていると

長年患った痔核や4度程度の場合は、内服では難しい場合もあります。内服で改善しづらい場合は外科的処置をし、その後に再発防止で漢方薬を内服されることをお勧めします。

いぼ痔(内痔核・外痔核)と脱肛、両方患っている方

痔核の患者さんで、脱肛を伴っている方もいらっしゃいます。その場合は、痔核と脱肛の両方を同時に治療するか、又は酷い方から治療を開始します。

痔核が脱肛している場合、痔核が治らないと脱肛は改善しません。原則として痔核の治療を優先します。

便秘は痔を悪化させる

便秘をすると、いぼ痔(内痔核・外痔核)は悪化します。便秘の方は、癖に成りにくく、腹痛の起こりにくい便秘薬を併用することがあります。

再発防止

良くなっても、食事や生活に気をつけながら、1日1回は服用したほうが良いようです。「完全に良くなった。」と思ったら、再発防止をしてください。通常は、今まで服用した漢方薬をそのまま服用します。1日1回に減らして6ヶ月程連用します。

◆漢方で治す

「痔」は、「やまいだれ」に「寺」と書きます。「お寺に行くまで、死ぬまで、治らない病気?」ですか?

西洋医学的には手術等の外科的治療で、いぼ痔(内痔核・外痔核)は治療されます。しかし手術によって簡単に症状が消えても、痔核の原因である静脈の異常なうっ血の原因が取れていない限り、再発し易いと考えられます。

漢方治療にて改善が見られない場合、西洋医学的な外科的処置を行い、漢方で再発防止をする方法もあります。

痔は治療と養生が大事です。治療をしないと治りませんが、養生が悪くても治りません。生活養生、食養生、共に大事です。一緒に協力し治しましょう。

◆太陽堂漢薬局のいぼ痔(内痔核・外痔核)の漢方薬をご紹介

いぼ痔(内痔核・外痔核)に使われる様々な漢方薬です。

肝臓の門脈圧亢進、便秘、子宮卵巣の腫脹他、妊娠等の圧迫により肛門や直腸静脈が還流を妨げられ、うっ血を起こし、いぼ痔(内痔核・外痔核)は酷くなります。漢方薬は便秘を治し、下腹部のうっ血を除き治癒に向かわせます。

紫雲膏

痛みのある痔核や裂肛(切れ痔)に外用します。激痛の時に使用します。痛みを止めるだけでなく、止血や傷を修復する働きもあります。

キュウ帰膠艾湯

太陰の虚証で、痔の出血が長引いて貧血傾向のある人。虚証で貧血がち、痔核からの出血が激しい疲れやすい人に使用します。出血を止めて貧血を回復させます。

甘草湯

痛みが激しい時に、煎じた温かい液を付けると痛みが消失します。腰湯にすると効果が高いです。甘草一味を濃く煎じ温かい煎液で激しい痛みの患部を洗うと、痛みが速やかに消失します。別名が忘憂湯です。痛みの「憂いを忘れる漢方薬」の意味です。

大黄牡丹皮湯

陽明の実証で右下腹部に抵抗と痛みがあり、便秘がちな方。女性では生理異常を伴う方です。血毒で炎症が激しい人の痔核(いぼ痔)に使用します。下腹部の緊迫感が強く、肛門部が腫脹し硬結状となった痔核に使用されます。

麻杏甘石湯

いぼ痔(内痔核・外痔核)からの出血と痛みが激しい人に効きます。体力的には中等度以上です。痛みが激しい人ほど治り易い傾向もあります。

乙字湯

日本の原南陽の経験方です。いぼ痔(内痔核・外痔核)に最も頻用される処方です。一般的に肝臓の門脈の血流が悪い人が多く、この薬方は肝臓の血流も改善します。肛門裂傷で便秘の方で痔核の痛みも強い方、また出血もしやすい傾向にある痔核の方です。桃仁・牡丹皮・魚腥草と同時服用すると効果が増します。

桂枝茯苓丸

少陽の実証です。のぼせと足の冷えがある人で、時に下腹部痛がある人の痔核(いぼ痔)に使用します。また女性で子宮や卵巣に問題がある方にも効果的です。便秘の方は便秘薬と併用します。

十全大補湯

太陰病虚証です。痔からの激しい出血により貧血をきたし、倦怠感や疲労感が強いです。

芍薬甘草湯

痔の痛みが激しい場合に用います。

黄連解毒湯

頭に血が昇り、顔に赤みがある方、血圧の高い方の痔核(いぼ痔)に使用します。

三黄瀉心湯

少陽の実証です。黄連解毒湯と同じ目標ですが、頭部が充血した感じで顏がほてり、のぼせ易いです。出血も激しく、便秘を伴う方に用います。

桃核承気湯

陽明の実証で、身体もガッチリしていて赤ら顔の人が多いです。のぼせ感が強く、手足が冷える方で便秘がちの痔核(いぼ痔)に使用します。女性では生理痛や生理不順のある方が多いです。桂枝茯苓丸より更にうっ血の酷い痔核に使用します。

当帰建中湯

虚証で貧血がち、体力がなく、痔核や脱肛の痛みが激しい人に用います。