小学校に入学してから癖が出てきた

発達障害

発達障害とチック症状。かけ橋掲載分

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発達障害、心的外傷後ストレス障害

2008年生、女性

学校生活の中で、今まで気にする事の無かった行動などを担任の先生から注意を受けた。親から見て、とても心配な事もあり、心療内科を受診した所PTSD、心的外傷後ストレス障害と診断されたとの事。

普段の生活の中でも、心配や不安感が強くなり、物事を拒否する事が多くなる、鉛筆を噛む、消しゴムを引っ掻く等の変化が出てきた。

糸練功で調べると、膀胱の腑の上気の証を確認した。
この証は、とても優しい方に多く、優しすぎる為に上手に発散する事が出来ずに、傷ついてしまうタイプの方の証である。
この証の改善に、ストレスに対して強い体質を作りトラウマを解消する煎じ薬を用いた。
漢方治療と同時に日常生活でも沢山外に出て身体を楽しく動かすようお伝えし治療を開始した。

2ヵ月経過した頃には気持ちの面でとても安定してきているような変化が出てきた。集中力が戻り、落ち着いて過ごせる事が増え、今までよりも多くの勉強問題を解く事などが出来るようになっていた。

半年もすると運動も積極的になり、お友達とも楽しく過ごせる時間が増えていた。習い事などの先生とも上手く付き合えている事もあり、とても落ち着いて過ごせていた。

1年と掛からずに診断される前の状態に戻ったと、ご家族の皆様が喜ばれていた。明るく良く笑い、周りの方にも心を開いている行動が増えている。

漢方薬も頑張って飲まれていたが、ご家族様の支援が難しければ、ここまで順調に改善が進む事は無かった。漢方薬をお飲み頂くのは本人だが、家族が助け合って改善が順調に進む事を改めて実感した。

手をヒラヒラ動かす癖が無くなった女児

2012年生、女児

1ヶ月前くらいから、手をヒラヒラさせるチック症状が出始めたという女児の母親から相談を受けた。
手を乾かすように動かしている様子で、2週間前には症状が常に出るようになってしまったとの事。

糸練功で確認した所、五志の憂にて抑肝散証を捉えた。
五志とは東洋医学の概念で、怒、喜、思、悲、恐の5種の精神状態を言い、このバランスが崩れると様々な症状が出てくる。

チック症は五志の乱れが原因であることが多い。またチックを肝の病によって生じる筋の異常と捉えることも出来る。
抑肝散は肝の乱れを鎮め、また五志の状態を整える働きがある。

食養生では、アオサ、青海苔、ワカメ、イリコ、アゴ、メザシ等などのミネラルを多く含む食材を食べる事をお勧めした。

服用開始から3ヶ月後には、6割ぐらい改善したとの報告を受けた。

5ヶ月後には全く症状が出なくなったとおっしゃられていた。

その後も症状がほとんど出ない日が続いており、現在は減薬しながら漢方薬を続けられている。

チック症の原因は今もまだ不明のままである。経過観察で良いと放置されたり、出された向精神薬の副作用で苦しまれたりする方が多くいらっしゃる。

東洋医学的に正しく病態を捉えさえすれば、どのような疾患でも改善に向かわせることが可能なのである。