伯州散

2022年7月16日;(写真は 久住 タデ高原の湿原の遊歩道を走る孫たち。)

伯耆の国(鳥取県から島根県)の伝承薬に伯州散(ハクシュウサン)と言う和漢薬があります。
吉益東洞(ヨシマストウドウ)が使用し効果が高かったため「外科倒し」と言われた内服薬です。古方派の漢方家が好んで使用しました。
傷口の治りが悪い時に内服すると、見る見る内に傷口が盛り上がり治ります。

津蟹ツガニ(川ガニ。代用でモグラの黒焼きの土竜霜ドリュウソウを使用することもあります)と反鼻ハンピ(マムシ)鹿角ロッカク(鹿の骨化した角)を素焼きの壺に入れて黒焼きにします。出来あがった黒焼きは等分で混ぜ内服します。
漢方では黒焼きの事を霜(ソウ)と言います。動物薬によく用いられる処理の仕方です。

肉芽形成が不良の場合に効果があります。
私が若い頃は、痔の手術をして肉芽形成が遅い方に内服を勧め喜ばれていました。
また紫雲膏(シウンコウ)と混ぜて外用しても効果が高いです。ただ外用の場合、治った後に黒焼きの炭が皮膚の中に残り少し黒ずみます。

炎症が強かったり活動性の疾患には禁忌です。
私は伯州散を服用後、お酒を飲み、心臓が飛び出そうになった経験があります。反鼻の働きかもしれません。
猿頭霜エントウソウ(猿の頭の黒焼き)を使うべきところ、代用で伯州散や土竜霜を使った症例もあるようです。