男性不妊症の原因と治療法

男性不妊症 - 漢方相談

現代では環境ホルモンやストレス、不規則な生活や偏食など様々な因子により男性不妊症が増えています。

ここ20年間で男性の精子量が3分の2に減少し、その他運動率の低下や奇形率が上昇傾向にあり、男性不妊症が増えていると言われています。

精子は射精されてから、卵子と出会い受精するまでに長い長い旅をします。受精するために量や運動率など、非常に大切な男性不妊症の因子となりますので、検査を受け質の良い状態を育成していく必要があります。

◆男性不妊症検査

不妊の原因は男女共に1:1と言われているため、男性不妊症の検査も重要です。男性不妊症の検査は3~7日間の禁欲期間が望ましいようです。

精液

精液量、精子数、運動率、奇形率などを調べます。

製造工場である精巣(睾丸)の働きがうまくいかずに造れなくなったり、造れても運動能力が悪い・奇形・数が少ないなどが男性不妊症の問題として最も多く、9割と言われています。

男性不妊症の原因として、現代の食生活やストレスなども大きく関わってきます。

男性の1回で射精される精液の量は3~5ccといわれ、1ccのなかには6000万~1億の精子が含まれます。1ccに4000万以下だと漢方薬などによる改善が必要となります。

男性不妊症の検査項目

精子数

精液1mL内に存在する数。2000万以下なら乏精子症、全くいない場合は無精子症と診断されます。無精子症とは精液中に精子を認めない状態です。通常では妊娠は得られません。原因は大きく二つに分けられており、精巣が精子を作れない造精機能障害(機能性・非閉塞性無精子症)と、精子を運ぶ精管がつまっている精路通過障害(閉塞性無精子症)とがあります。造精機能障害が男性不妊症の70~90%を占めます。

運動率

運動率を調べます。正常な精子が全体の50%未満の場合、精子無力症と診断されます。

奇形率

奇形がどれくらいいるかを調べます。正常形態が全体の30%未満なら、精子奇経症と診断されます。

白血球数

精液1mLに含まれる白血球数を調べます。100万個以上なら膿精子症と診断されます。精液中に増えた白血球が精子を食べ、その際に出る酵素が他の精子の受精能力を低下させます。

精液検査の判定(正常値の基準)日本産婦人科学会の基準

  1. 精液量 2~6ml
  2. 精子濃度(精子数) 4000万/ml以上
  3. 精子運動量(運動率) 50%以上
  4. 奇形率 15%以下

◆男性不妊症の精子の量と質を低下させる原因

お酒の飲みすぎ
お酒の飲みすぎ
タバコの吸い過ぎ
タバコの吸い過ぎ
ストレス・睡眠不足・性欲低下
ストレス・睡眠不足
性欲低下
風邪・発熱
風邪・発熱
ミネラル・ビタミン不足
ミネラル・ビタミン不足

その他、熱すぎるお風呂、長風呂、偏食、運動不足等も男性不妊症の原因となります。

精索静脈溜

精索静脈瘤とは、腎静脈から内精索静脈へ静脈血が逆流する事より、陰嚢上部での蔓(つる)状静脈叢が怒張・うっ血している状態です。

精索静脈溜は一般の健康な青年男性の約10%と高率に認められ、さらに精索静脈溜の程度は精巣容積の減少、精液所見の悪化と関連があり男性不妊症の原因の一つと言われています。

一般に精液所見が不良な方や静脈溜に伴う症状のある方(陰嚢部の痛み)は、手術適応となり手術によって約60~70%の方で精液所見の改善があり、約30~50%の方でパートナーの妊娠が得られると言われています。男性不妊症の重要な原因と考えられています。

精巣

精子がいるかどうか、成熟していない場合でも、どこまで造られているか調べます。

無精子症や、基準以下と診断された男性に行われる検査です。視診や触診によって精巣をチェックしますが、場合によっては精管精嚢造影検査や精巣生検などの詳しい検査が行われます。

精巣の機能に問題があるのか、清液の輸送経路に問題があるのか。それを区別するのが精管精嚢造影検査です。 局所麻酔をし、精巣の一部(マッチ頭程度)を切除して顕微鏡で調べます。

抗体

普通、男性に精子抗体はありませんが、まれに過去の外傷や感染症などが原因で、抗体が造られている場合があります。判断のため血液検査で調べます。

ハムスターテスト

ハムスターの卵子を使って、受精できるかどうか調べる男性不妊症の検査。透明帯を取り除いたハムスターの卵子に、採取したヒトの精子をつけて受精率を調べます。受精能力によって、人工授精、体外受精、顕微受精のいずれの方法をとるかを決定する時に役立ちます。

ホルモン

血液を採取し、ホルモンの状態を調べます。黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、プロラクチン(PRL)、テストステロン(男性ホルモン。T)が影響してないか調べます。

◆漢方治療 男性不妊症

「精神神経症状」のある場合

患者さんにとって大変なストレスを抱えている場合が多く、神経症状(五志の憂)を軽減するだけで妊娠につながる場合も多いです。

  • 半夏厚朴湯
  • 桂枝加竜骨牡蠣湯
  • 抑肝散
  • 香蘇散
  • 柴胡剤など

「脾虚」のある場合

脾虚を治療することにより、造精能力を高めます。

  • 人参湯
  • 補中益気湯など

「腎虚」のある場合

腎虚を治療することにより、造精能力を高めます。

  • 六味丸
  • 八味丸など

漢方薬は精母細胞を活性化し、原因別に男性不妊症を治療していきます。